「自分の習慣」が非常識なことも……シーン別にマナーをチェック:反面教師とならないための「上司」のマナー(3/5 ページ)
人は誰でも「自分の習慣」を常識と思い込むことがあります。それは、経験や年齢を重ねるほど、気付きにくいものかもしれません。初心にかえり、ビジネスシーン別に、自分の言動やマナーを振り返ってみましょう。
3.顧客訪問のマナー
顧客訪問での上司の態度も、部下に大きな影響を与えます。よいお手本となりましょう。
(1)上座と下座
応接室や会議室における席次(席順)は、目上の人や年長者に対する敬意、あるいは来客へのおもてなしの心のあらわれです。
社会人経験の長い人ならご存じかと思いますが、その空間において最もよい席を「上座(かみざ)」、出口などに近い席を「下座(しもざ)」と言います。
顧客訪問する際は、自分自身が「来客」なので、上座にかけるのが通常ですが、勝手に判断してはいけません。先方の案内者が「どうぞこちらに」とすすめてくださった場合のみ上座につきましょう。席を示されない場合は、下座についたほうが無難です。
訪問先では謙虚に振る舞うことが大切です。面会相手が、あなたが下座にいるのに気付き、上座をすすめた場合は「恐れ入ります」と言って移るとよいでしょう。
(2)面会相手を待つ間
初回訪問時は、応接室に通されたあと面会相手が入室するまでは立ったまま待ちます。ささいなことですが、誠実さや謙虚さなど、第一印象を左右するからです。
2回目以降は、案内者が「おかけになってお待ちください」と声をかけた場合はかけてもかまいません。そうでなければ、やはり立ったまま面会相手を待つほうがよいでしょう。
椅子やソファにかけて待つときは浅く腰かけます。深く腰かけたり、背もたれに寄りかかったりすると、尊大な印象を与えかねません。腰かけた場合でも、面会相手が入室した際にはいったん立ち上がってあいさつをします。
(3)かばんやコートの置き場所
ビジネスの世界では、かばんは床に置くことが基本となっています。椅子や机の上に置くのは、床に直置きしたものをそのまま載せる行為、つまり「土足」を意味するため、失礼になります。かばんから書類を出すときは膝の上に置き、用が済んだら、また床に置いてください。このとき、下座側に置くのがベストです。
女性が、書類かばんとは別に小さめのバッグを持っている場合は、自分が腰かける椅子やソファの後方にバッグを置くとよいでしょう。
また、冬場はコートを着ることがありますが、訪問先では建物に入る前に脱いでおくのがマナーです。室内ではコートは、自分が腰かける椅子やソファの背もたれ(下座寄り)にかけます。帰る際も、建物を出てからコートを着るようにしましょう。
(4)紹介の順番のマナー
自分が仲介者となって、人と人を引き合わせる場合、目上や外部の人に対して「目下や内部の者を先に紹介する」ことが基本です。順番を間違わないよう注意しましょう。
例えば、入社したばかりの部下を取引先に連れてゆき、先方の担当者と初顔合わせをする場合、最初に部下を紹介し、次に先方の担当者を紹介します。
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