帰ってきた「京都BAL」は、どこに“こだわった”のか:内覧レポート(3/5 ページ)
2015年8月、一時閉店から約2年半の月日を経て「京都BAL」が誕生した。各カテゴリーのナンバーワンブランドが集結した京都BALは、どのような特徴があるのか。
各テナントと打ち合せを繰り返しながら、店舗に寄り添って一つひとつの店づくりをしてきたと言う中澤氏。中でも注力したのは、6階の1フロアすべてを使ってつくり上げたセレクトショップ「Ron Herman」のフロアだ。売場面積は450坪を超え、同ブランド内でも世界最大級のスペースを誇っている。
エレベーターで6階にたどり着いてからショップに入るまでの演出や、店内に設けられた水場など、遊び心と創造性にあふれた空間デザインには誰もが心地よく驚かされるだろう。中澤氏はここの店づくりについて、Ron Hermanのジェネラルマネージャーである三根弘毅氏、京都BAL全体のデザインを手がけたSO,u株式会社の吉田幹社長の2人と「本当に息がピタッと合った」と語っている。
また、地下の2フロア分を占めている書店「丸善 京都本店」も注目を集めている。丸善の京都店は1907年に初めて開設し、梶井基次郎の小説『檸檬(れもん)』の舞台になったことから、多くの地元民や文化人に愛される場所となっていた。その後一度の移転を経て、2005年に惜しまれつつも閉店。そんな歴史を受け継ぐ書店が、京都BALの中に10年ぶりに復活する。フロア内にはカフェも併設されており、ここでしか食べられないレモンのスイーツを提供している。
その他、京都発のオーガニックコスメブランド「KOTOSHINA/古都品」、ハリウッドのセレブたちに愛されている老舗コールドプレスジュースショップ「DAVID OTTO JUICE」、ハワイの島々で採取したこだわりのコーヒーを楽しめる「Hawaiian Islands Coffee」といった国内初出店の3つのショップや、さまざまなライフスタイルを提案する関西初出店の5つのショップも、新生・京都BALの門出に華を添える。
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