コンビニがめでたく“結婚”するには? 2つの高い壁:ご一緒に“おでん”いかがですか 2(2/5 ページ)
このところコンビニ再編の動きが活発化しているが、よく考えるとコンビニ再編のカンフル剤にも足かせにもなるものがある。それは各社が展開するプライベートブランドと、提携しているポイントカードだ。経営統合した場合、これらはどうなるのだろうか。
2つ目は販売網の拡大だ。
販売網の大きさで言うと、セブンプレミアムがダントツだ。コンビニの“王者”セブン‐イレブンを筆頭に、スーパーはイトーヨーカ堂、デパートはそごう、西武など販売店が網羅されている。
セブンプレミアムの最大のライバルはイオンの「トップバリュ(TOPVALU)」。コンビニでの取り扱いは、店舗数が少ないミニストップのみとなっている。
ここでコンビニの国内店舗数を比較してみよう。セブン‐イレブンは1万8092店(2015年8月31日現在)、次いでローソンが1万2276店(2015年2月末現在)、2010年にam/pmと合併したファミリーマートが1万1444店と続く(2015年7月31日現在)。ミニストップは2172店(2015年7月31日現在)にとどまっている。
PBの販売店舗数が多ければ、出荷数の増加につながる。当然、利益率も上がり商品開発の原資にもなる。1万店体制が主流のコンビニ業界の中で、トップバリュは残念ながらまだ存在感は薄いと言える。イオンとしては、セブンプレミアムと同様、コンビニでの取り扱いの拡大を狙っていることだろう。
対照的に、ローソンが展開する「ローソンセレクト」は、現状コンビニのみでの取り扱いとなる。ローソンも、PB商品の販売拠点の拡大をしたいところだろう。もちろんそれはファミリーマートにも当てはまる。「ファミマコレクション」と銘打ったPBだが、こちらの販売網もさほど大きくない。PB展開の出遅れ感があるローソンとファミリーマートが、トップバリュの獲得を目指して、ミニストップとの提携をもくろむことは想像に難くないところだ。
コンビニ関係者の間では、「他社との提携に消極的なセブンを除いて、大手コンビニは中堅・中小のコンビニを狙っている」という、うわさが絶えない。最後の金脈を掘り当てるのはどこか!? ローソンかファミマか、はたまた別のコンビニか。ここ数年、この話題で持ち切りである。
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