人生はマーケティング! 正しい「三方よし」の使い方(1/2 ページ)
近江商人が大切にする「三方よし」は、誰もあまり異議を唱えることがない便利な言葉である。この精神は、経営戦略だけでなく、人生にも役に立つ。例えば……。
著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)
有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。
【相談内容】
男性上司からいろいろモノをもらって困ってます。
高いモノではなくて、出張に行った時のおみやげとかコンビニで買ったデザートとかです。周りの人にはなくて私だけ。隠れてくれるならまだしも、他の人にも分かるように渡されるので、いろいろ誤解されているようです。
上司には一応「ありがとうございます」と言って毎回もらってますが、上司に見返りを期待されてたら、と思うと怖いし、他の人の目も気になってすごく嫌な んです。「いりません」とは言えないし、どうしたらいいでしょうか。修治さんならナイスな回避法を教えてくださるのでは? と思いました。よろしくお願いし ます。
【ワタシの回答】
近江商人の「三方よし」を実践するのです。
「三方よし」と言う言葉を聞いたことがありますか? 近江商人の言葉ですよ。営業研修とかで、てんびん棒をかついだ丁稚のビデオを見たことあるでしょう? 売り手よし。買い手よし。世間よし。で、三方よしです。
今回の場合、売り手は、上司です。買い手は、あなた。世間は、会社の周りの人ということになりますね。今のままでは、一方よし。なので、これを三方よしにすればいいのです。
みんなの前で公に渡された贈り物です。あなたがどう食べようと勝手です。なので、おみやげとかデザートとか、そこにいる世間の皆さんと分け合ってください。
そうすりゃ、上司の株も上がります。あなたも怪しまれません。みんなの小腹も満たせます。これで三方よしです。もし、その上司に下心があるなら、みんなへの贈り物になっちゃうようなことは、意味がなくなるので控えるようになるでしょう。
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