“ザ・縦割り”だったJALが、変貌できた理由:水曜インタビュー劇場:(JAL公演)(3/7 ページ)
JALの業績が好調だ。景気が回復してきたり、訪日外国人が増えたり、原油が安くなったり、さまざまな外部要因があるが、記者は内部に注目した。破たん前の企業文化は縦割りだったのに、破たん後はかなり変化してきている。その理由は……。
隣は何をする人ぞ
野村: 自分たちが働いている会社は縦割り……ということに気付いていない人が多かったですね。縦割りであるかどうかは、そうでないところで働いた経験があって、初めて「あ、自分たちの組織って縦割りだな」と気付くと思うんですよ。ほとんどの人がJALでしか働いたことがないので、縦割りの意識がなかったですね。
土肥: 横の交流はなかった?
野村: ほとんどありませんでした。繰り返しになりますが、“隣は何をする人ぞ”といった感じ。同じ会社で働いているのに、部署が違うとまるで別会社のような感覚でした。
土肥: 経営破たんして、「このままじゃあイカン」となったわけですよね。
野村: 破たんしたことは、社員にとって衝撃的でした。破たんした当初は、二次破たんするかもしれない、という状況だったので「こうれじゃあイカン。なんとかしなきゃイカン」という危機感がありました。自分たちのどこがダメだったのか、さまざまなことを反省していくわけですが、その中のひとつに「縦割りの企業文化」がありました。
縦割りはイカンということで、組織に横串を刺して、連携を図ることにしました。会社にいる全員が、同じ目標・同じ目的に向かって進んでいくためには、考えを合わせなければいけない。考えを合わせるためのツールとして、「JALフィロソフィ」をつくりました。
土肥: グループ会社は約60社ありますよね。同じグループとはいえ、違う会社なので考え方は違っていて当然だと思います。そうではなくて、グループでも同じ方向を向かなければいけないということでしょうか?
野村: はい。
土肥: 破たん前に「企業理念」はありましたよね。ただ、文字が並んでいるといった感じだったのでしょうか。
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