博報堂が公開する”生活定点”、データと日経平均との関連性から分かることとは?:生活定点のデータは1992年から(3/5 ページ)
日々の経済状況は、私たちの生活を如実に反映したものです。しかし、自分の意思や心理が経済状況とどのような関係性にあるかを、感覚として把握するのは難しいです。本稿では、その関連性を数字で明らかにします。
日経平均と正の相関がある10項目
上位10種の内、5つが「どちらともいえない/同じまま」という返答でした。各質問項目は異なるものではありますが、「中くらいの感覚」を持つ人が増えていると、経済も好転している可能性が高いと言えるのかもしれません。
その他、分かりやすい部分では、投資貯蓄への関心について正の相関が見られました。また、いろいろな商品の情報に詳しい方だ、という項目も消費者の購買意欲増加として結論づけられそうです。
最後に、分かりにくい項目ですが、ライフボリューム4類型というものについて見ていきます。このライフボリューム4類型は、「あなたのふだんの生活は、現在どの程度の『幅』を持っていると思いますか。」という“生活の幅”を聞く項目と、「あなたのふだんの生活は、現在どの程度の『深さ』を持っていると思いますか。」という“生活の深さ”を聞く項目の結果で分類されます。
この幅と深さについては、調査票の中で次のように説明されています。
幅とは――いろいろなタイプ、デザイン、素材など、多くの種類の衣服を持っていたり、いろいろな種類のものを食べたり、性別、年齢を問わずいろいろなタイプの人と広くつきあったり、余暇をすごすための、いろいろな趣味、スポーツなどを持っていることを指します。
深さとは――自分なりの好みや基準を追求した衣服を持っていたり、こだわりのある食事をしたり、表面的ではないことを指します。
全部で4つのタイプ、大海型(広くて深い)・プール型(広くて浅い)・井戸型(狭くて深い)・水たまり型(狭く浅い)に分けられます。
今回の分析では、日経平均と正の相関があるライフボリュームタイプは“情報生活に関して水たまり型(狭くて浅い)”でした。つまり、人々が情報に対してそれほど関心がない時は、日経平均も高くなっている可能性が高いと言い換えられます。
ある意味、楽観的な人々が多いと景気が良いという風にも考えられるのではないでしょうか。
関連記事
- “おひとりさま”の2人に1人は、普段から節約を心がけている
20〜30代の独身男女で、普段から節約を心がけている人はどのくらいいるのだろうか。この質問に対し、「節約を心がけている」と答えたのは53.4%。具体的にどのような節約を……。オウチーノ総研調べ。 - え? 「過半数が50歳以上」に──2023年のニッポン、一体どうなる?
「昔はこうだったのに」──。これまでの常識とは違うことが常識になりつつあると感じる事象はありませんか。データで読み解くと、常識の変わり目が見えてきます。今回は、「過半数が50歳以上」になると予測される日本の人口分布についての変わり目を探ります。 - 中国人はGCB、日本人は? 欲しいモノから見えてきた日中の消費スタイル
あなたが欲しいモノ・サービスは何ですか? 日本人と中国人に聞いたところ、違いが浮き彫りに。また消費スタイルにも違いが分かってきました。それは……。 - ほんとに景気はよくなるの? 生活者意識から考えた、景気回復のツボ
アベノミクス効果などもあって、日経平均株価が今年3月、リーマンショック前の水準に戻りました。株価についてはダイナミックな動きが続いていますが、生活者の景気意識はどうなんでしょう?
関連リンク
Copyright © Credo All rights reserved.