デジタルとアナログを高次元で融合! カシオの腕時計が目指すモノづくり(2/7 ページ)
カシオの腕時計が躍進している。売り上げが伸びているが、開発現場ではどのようなこだわりがあるのか。デジタルドライブやアナログムーブメントの企画を担当している小島直氏と、プログラムの仕様設計を担当している長谷川幸佑氏に話を聞いた。
カシオが追求する“インテリジェント・アナログ”を支える技術
――カシオの腕時計に搭載されている代表的な技術について教えてください。
小島氏: カシオでは、これまで培ってきたデジタル時計の技術を生かして高機能なアナログ時計を開発するために、ムーブメントの中で針を動かすモーターの開発に力を入れています。
最新モデルのラインアップを例にすると、モーターのサイズをOCEANUS Manta(OCW-S3000)から26%のダウンサイジングに成功しました。コイルを巻く軸の形状を見直したり、コイルそのものを髪の毛よりも細くしたりすることで、消費電力量を変えずに小型化することができました。これによって、モーターの数を増やして針の動作をより豊かにしたり、小型化したことで生まれたスペースにGPSアンテナやスマートフォンと連携させるBluetoothアンテナなどを搭載したり、新たなセンサーやモジュールを組み込んだりすることが可能になりました。
また、OCEANUS(OCW-G1100)とG-SHOCK MT-G(MTG-G1000D)に搭載した「デュアルコイルモーター」も、上記の小型化したモーターことにより実現しました。モーターが大きくなってしまうと、どうしてもデザイン性を損なってしまったり、ムーブメント内部のレイアウトの自由度や搭載できる機能が制限されます。
そういったことから、モーターの小型化は高機能なアナログ時計を開発する上で大きなポイントなのです。針を時計周りでも反時計周りでも同じ素早さが可能になり、針の動作に表現の豊かさも生み出しました。
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