私立高校と公立高校の5.8倍の格差(2/4 ページ)
「私立高等学校等授業料等の調査」によると、私立高校の入学時に支払われる金額は平均71万円、一方の公立高校は12万円。約6倍の差がありますが、この格差について私立高校の先生たちはどのように感じているのでしょうか。
できれば、公立高校に進んでほしい、という思い!
5.8倍の格差。もちろん、公立高校の社会的な評価には、長い歴史や、公立高校の先生方の努力もあるでしょう。しかし、この経済的な負担の格差が、「できれば地元の公立学校に入って欲しい」という高校選択のベーシックな発想を下支えしているのは疑問の余地がないところでしょう。
日本全国に公立学校よりもはるかに人気のある私立高校は数多くあります。しかし、公立学校への根強い人気はがまだまだ健在です。「私立高校に行くにはお金がかかる。できれば、公立高校に進んでほしい」、そんな思いをもつ保護者が依然、日本全体をみればマジョリティーであるのは確かです。
昨今、公立と私立の経済的な負担の格差は、「高等学校等就学支援金制度(新制度)」や自治体の学費補助金などで狭められる努力はされています。しかし、一方で、私立高校の授業料の平均は、毎年のように上がっています。平成21年の私立高校の授業料の平均35万4731円でしたが、平成26年度には38万3598円となっており、この5年間の間に2万8000円ほどが値上げされています。少子化による経営悪化で一部の私立高校が授業料の値上げを余儀なくされているためです。
5.8倍の格差にも膨らんだ経済的負担の壁を私立高校が乗り越えない限り、少子化が進むこの時代にあって私立高校の経営的な未来はありえないということです。この壁を私立高校はどのように乗り越え、公立高校よりも付加価値の高い教育サービスを行っていくのか、そのことが、今問われています。
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