お客さんとの“距離”はどう? カウンターの幅は絶妙で微妙:ご一緒に“おでん”いかがですか 2(2/3 ページ)
コンビニのカウンターで、言ったことがうまく伝わらずにイライラした経験がある人も多いのでは。実は、コンビニはお客さんと店員のコミュニケーションが取りづらい環境となっているのだ。
脳は足りない情報を自動的に補完する
距離のほかに、コミュニケーションをとりづらくしているモノがもう1つある。店内に流れるBGMや宣伝放送の音だ。
環境省のWebサイト「大気環境・自動車対策」を参照すると、コンビニの店内の騒音は60〜70デシベル。これは、コーヒーショップやファミリーレストランの店内と同じくらいの数値である。
それに対し、東京都環境局のWebサイトによると、人の話し声は約50〜61デシベル。店内のBGMよりも小さいので、人の声は聞こえづらくなってしまう。
コンビニの店内はBGMなどによってコミュニケーションがとりづらい環境になっているが、店員たちは“経験”によってうまく対応している。どういうことか、具体的に説明しよう。
上の図を見てほしい。片側だけを見ると何か分からないが、両方の図を見ると「R」という文字が浮かび上がって見えるはずだ。人間の脳は、見たり聞いたりした情報が欠けていると、記憶や経験をもとにその部分を補完しようとする。
実は、店員もお客さんも、無意識のうちにこれと同じことをしている。例えば、店員がお客さんに意識を向けていない状態でタバコを頼まれても「えっ?」となってしまうが、あらかじめ、お客さんがタバコの棚のほうを見ていることに気付いていれば、「あっ、このお客さんはタバコを買うんだな」と予測できる。そういう心構えができていれば、カウンターを挟んだ距離でも、店内の騒音で声が聞きづらくても、「セ◯◯ス◯ー」を「セブンスター」と、補完して聞きとることができるのだ。
関連記事
- コンビニのアルバイトが、集まらない事情
ここ数年、どのコンビニでもアルバイトが集まりにくいと聞いているが、最近はさらに状況が厳しくなってきているようだ。今回は、コンビニにおけるアルバイトの人材不足の現状について。 - 人手不足を解消できる? アプリ内で応募ができる「LINEバイト」
インテリジェンスとLINEが共同出資したAUBEが、LINEアプリ上でアルバイト求人情報サービス「LINEバイト」を公開した。アプリ上に約10万件の求人情報を掲載し、ユーザーは閲覧、応募が可能となっている。 - もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - 「コンビニバイト募集 初心者歓迎」この言葉の裏にある“怖い事実”
コンビニの店頭で「アルバイト募集 初心者歓迎」といったポスターを見たことがある人も多いのでは。あまりにも多いので気にならないかもしれないが、実は「初心者歓迎」という文言の裏には、隠された事実がある。それは……。 - アルバイトで、一緒に働きたい理想の店長は?
アルバイトで一緒に働きたい理想の店長は? 学生またはフリーターに聞いたところ「気配りができる」と答えた人が最も多かった。an調べ。 - 敵は“味方”にあり? コンビニ内部不正、終わりなき戦い
コンビニで起きる犯罪や事件というと、強盗や万引きなどが一般的だろう。しかし、オーナー側からすると、実は一番多いのは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.