部下の管理は「ゴルフ」に例えると、分かりやすい(2/4 ページ)
上司となって部下を持つと、最初のうちは「良い上司になろう」と思うのに、知らず知らずのうちに、部下を無理矢理コントロールしようとしてしまうのはなぜなのか? ゴルフとチームマネジメントを重ね合わせて考えると……。
と、まあこんなところだろう。しかし、それは本質を捉えた表現とは言えない。本質的な回答は「クラブの特性を理解し、その状況に合わせ、適合した打ち方をすることで良い結果が出る。よって、状況と合わないクラブは使用しないし、間違った打ち方はしない」
というのが正解だろう。そう、われわれはドライバーはパワーを溜めて正確にヒットすれば力いっぱい振らなくても飛距離が出ることは頭では分かっている。しかし、距離を飛ばそうとすると、どうしても力んでしまう。それは仕事に置き換えれば「成果を出させようと思うほど、部下に激を飛ばしたくなる。コントロールしたくなる」というのに似ている。
パターは、進む距離こそ短いが精密なパットを行うクラブである。だから繊細さを失くし、乱雑に扱うと、成果が出ない。これを仕事に例えると、部下を繊細に扱うべき場面で強く接し、成果が出せなくなるのと同じだ。それは、責任者(上司、マネージャー)になると、成果を出さなければという責任感から、つい力んでしまうからだ。
上司は、チームとして成果を出せないと、心のどこかでつい部下の責任にしてしまうところがある。
「なぜあいつはできないのだ?」
「あいつは使えないなあ」
「あいつを採用したのは誰だ……」
ショットが悪いと、ついクラブに当たってしまいたくなる心理に近い。また、スコアを上げたい! からと新しいクラブに買い替える人がいる。しかし、新しいクラブを買ったはいいが思ったようにスコアが上がらないと「買ったクラブが悪かったのかな」「クラブが自分に合ってないのかな」と一瞬考えてしまう。
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