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転職に成功する人、失敗する人――どこに“違い”があるのか新連載・金曜インタビュー劇場(藤原和博さん)(5/5 ページ)

景気の影響を受けて、転職の求人数は右肩上がり。「自分もそろそろ……」と思っている人もいるだろうが、“転職で成功する人、失敗する人”にはどのような“違い”があるのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。

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ビジネスパーソンにとって大切なこと

藤原: また、5年くらい働いていれば、2〜3人の上司と一緒に仕事をするでしょう。いろいろなタイプの上司の下で働くことも大切なんですよね。さらに、その会社で異動を経験するかもしれません。営業から宣伝に行くかもしれないし、総務から経理に行くかもしれません。このようなさまざまな経験を積むことで、自分のポジションをきちんとつくっていく。こうしたことをできる人は、転職をしても成功する可能性が高くなるのではないでしょうか。

 もちろん、絶対にひとつの会社で5年間働かなければいけない、という話をしているのではありません。実際に働いてみると条件が違っていたり、悪徳業者であったり、いわゆる“ブラック企業”であったりすることもあるでしょう。そうした企業に間違って働くことになった場合、適切なタイミングで転職するほうが賢明でしょう。

 繰り返しになりますが、正解主義という呪縛に縛られてはいけません。自分にとってベストな会社を探すのではなく、新天地に飛び込んだらそこを意地でもベストにすべき。転職をする前から「ベストな選択をしたなあ」と考えるのではなくて、転職をしてさまざまな経験をしてから「ベストな選択をしたなあ」と考えるべきなんです。そうした考えで転職をすれば、40代以降に“違い”が出てくると思いますよ。

土肥: どういった“違い”でしょうか?

藤原: 1年、2年で転職を繰り返している人は、40代になっても「次の会社が天職だ!」と思い続けて、ずーっと転職活動をする。地に足が着いていないから、どこかフワフワしている。なので、薄っぺらな仕事しかできない。

 一方、ひとつの会社でさまざまな経験をしている人は、40代になって「自分はこれをやるんだ」といった形でテーマを決め、深い次元で仕事をすることができるのではないでしょうか。この両者の“違い”は、ビジネスパーソンにとってものすごく大きいですよ。

つづく

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