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7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物金曜インタビュー劇場(藤原和博さん)(2/6 ページ)

「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。

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成長社会から成熟社会に


みんなが納得できる“納得解”を導き出さなければいけない

藤原: ひとことで言えば、成長社会は「みんな一緒」、成熟社会は「それぞれ1人1人」という時代に変わりました。電話は一家に1台だったのに、1人に1台という時代に。結婚式の引き出物もみんな同じモノだったのに、カタログの中から自分が欲しいモノを選べるようになりました。

 成長社会では、学校の先生や親の言うとおりに、“いい子”にして“よい大学”に入学して“よい会社”に就職することができれば、7割がた課長になれて、それなりの年収を手にすることができました。20世紀型の成長社会はこのような共同幻想を、みんな一緒になって追い求めていましたよね。でも、成熟社会に入って、少しずつ変わってきました。1人1人が自分自身の幸福を持たなければいけない時代になってきたのではないでしょうか。

 成長社会ではひたすら「情報処理力」が求められましたが、成熟社会になると「情報編集力」が求められるようになりました。

土肥: 「情報処理力」「情報編集力」という言葉が出てきましたが、どういう意味でしょうか?

藤原: 情報処理力とは、いち早く正解を導き出すこと。例えばジグソーパズルのピースには必ず“正解”がありますよね。たったひとつの。正解の場所をいかに早く見つけるかという、頭の回転の良さが求められていました。

 一方の情報編集力には、どのようなチカラが求められるのか。身に付けた知識や技術をさまざまに組み合わせて、みんなが納得できる解……いわゆる“納得解”を導き出さなければいけません。情報処理力が求められていた時代はジグソーパズル型思考だと言いましたが、情報編集力が求められる今の時代はレゴ型思考が必要なんですね。ジグソーパズルのように正解は1つでなく、組み合わせは無限にある。頭の回転の速さでなく、頭の柔らかさが重要になってきました。イマジネーションの勝負なんです。

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