7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物:金曜インタビュー劇場(藤原和博さん)(4/6 ページ)
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
知恵を出さなければいけない
土肥: 藤原さんの話を聞いて、「なるほど。これからの時代は、情報編集力が必要になってくるのか」と理解した人は多いと思います。でも、まだまだイメージがわかない人もいるかもしれません。
藤原: では、ちょっとお聞きしますね。タイヤは何でできていると思いますか?
土肥: ゴムですよね。
藤原: タイヤがゴムでできていることはなんとなく想像できる。知識として知っているからですね。では、ゴムの生産地はどこだと思いますか?
土肥: うーん、どこでしょう? 暑そうな国でつくっているイメージがありますが。
藤原: タイとインドネシアの2カ国で、全世界の約6割を占めているんです。トップ10をみても、東南アジアの国が8つもランクインしています。
土肥: ほー。
藤原: これも知識として知っていれば分かることですね。以前は「タイヤは何でできているのか?」「ゴムの生産地はどこか?」といった正解が求められていました。しかし、これからの時代に求められていることは何か。
これからは「世の中にいままでなかったタイヤって、どんなアイディアがあるかな?」というような正解のない質問に対して、たくさんの人とブレストして知恵を出さなければいけません。そして、さまざまな意見が出てくるはず。ニオイ付きのタイヤをつくることはできるのか、ピンク色のタイヤをつくることはできないのか、といった感じで。
タイヤは黒色ですが、これには理由があるんですよ。なぜ黒色かというと、タイヤを強化するためにカーボンブラックが入っているから。でも、黒色のタイヤではダメな作業場もあるんです。床を真っ白に塗って、クギ1本も見逃してはいけないような場所で作業をするフォークリフトなどは、黒色のタイヤだと轍(わだち)が残ってしまうので、白色のタイヤを装着しているんですよね。マーケットとしては小さいかもしれませんが、1本のタイヤの付加価値は高い。黒色のタイヤではいけない現場もあるからです。
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