自ら上場させた会社を辞め、2度目の起業を決意するまで:新連載・経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(1/7 ページ)
26歳で初めて創業した会社のビジネスが軌道に乗り、30歳で結婚し、3人の子どもの出産、そして上場。公私ともに順風満帆だった私を、ある日突然、悲劇が襲いました。「何とかするしかない!」。そう心に誓って、困難に立ち向かっていったわけですが……。
突然サーバがダウンした。
2014年10月9日、新会社設立のプレスリリースを出した直後だった。
『女性起業家の経沢香保子が漫画カメラ開発技術者と「株式会社カラーズ」を設立コーポレートサイト公開と創業メンバーのエンジニア・デザイナー募集のお知らせ』(リンク)
リリース配信と同時にコーポレートサイトにアクセスが集中したようだ。そのため、一時的にサーバがダウン。何ともベンチャーぽいスタートとなった。
新会社設立のニュースは注目を浴びたが、私の2度目の起業に対するネット上の評価を見ると、賛否両論だった。
否定派の語気は荒かった。
「クソ経営者、これだけ図々しければ本人は幸せだろうな」「この人のこと色眼鏡なしで見れない、あれだけ騒がれたのに、ある意味たくましいな」「気持ち悪いから彼女のことが嫌いです」……。
これからスタートを切ろうと奮起したものの、私のまだ癒えない傷をえぐるのに十分だった。お会いしたことがない方ばかりだったのがせめてもの救いだが、世間の私の印象はこうなのかもしれない。
ある意味、批判は覚悟はしていた。
同年6月の株主総会で前社を退任したばかりだったから。前職の社員をはじめ関係者の皆さま、株式市場の関係者の皆さまの心情を考えれば考えるほど、苦しかった。でも、そうするしかなかった。
そんな状況で、そもそも、なぜ私は2度目の起業をしようとしたのだろう。
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