連載
自ら上場させた会社を辞め、2度目の起業を決意するまで:新連載・経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(2/7 ページ)
26歳で初めて創業した会社のビジネスが軌道に乗り、30歳で結婚し、3人の子どもの出産、そして上場。公私ともに順風満帆だった私を、ある日突然、悲劇が襲いました。「何とかするしかない!」。そう心に誓って、困難に立ち向かっていったわけですが……。
スタートダッシュに成功した最初の起業
私は自ら創業し、やっとの思いで上場させた会社を、2014年に退任した。
さまざまな事情があって会社を離れることとなったのだが、まさに筆舌に尽くしがたいとか、断腸の思いとか、適切な言葉が見つからないほど、心は悲鳴を上げていた。
26歳から、心血注いで、15年かけて創り上げてきた会社を失って、どうやって生きていけばいいのかも分からなかった。
せっかく時間に余裕ができたので、これまでは十分に取ってあげることのできなかった親子の時間を作ろうと思い、子どもと勉強を一緒にしたり、遊びに連れて行ったり、毎日いろいろな工夫をして、いろいろなものを埋めていった。
思い返すと、1度目の起業は26歳のとき。右も左も分からないまま、自宅で、一人で創業した。
フリーランスの延長のような流れだったが、「女性マーケティング」というテーマ性と、「20代の女性社長」という話題性に恵まれ、幸いにも、たくさんの仕事が舞い込んできた。初めての起業だったが、コンサルティングサービスが中心だったから、大きな資金を必要としないため、比較的スムーズにスタートを切ることができた。
今思うと、恵まれていた。多少の苦労はあったかもしれないが、口コミで仕事をいただき、初年度は3000万円、2年目は6000万円、3年目は1億円と、順調に目標の売り上げを達成したのだ。
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