再び自宅で起業、2回目の挑戦だからこそのこだわりとは?:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(1/6 ページ)
2度目の起業を決めた私は、同じ思いを共有できる創業メンバーの募集を始めた。そこで思ってもみなかったことが次々と起きたのだ。
焦るだけの日々
実は、2回目の起業をすると決めたものの、私は、どうやって創業メンバーを集めるべきかと考えあぐねていた。あうんの呼吸で仕事をしてきたメンバーはすべて前職の財産だから、そこからの引き抜きは避けるべきだ。とはいえ、創業メンバーは信頼できる仲間じゃないとスムーズに進みそうもない。どうしたものか……。
思い返してみると、1回目の起業では、自宅でフリーランスの延長のように一人で始め、仕事が忙しくなってきてから必要なメンバーを一人一人集めていく方法をとった。創業して7年近く経ってから、上場を目指して、そこで初めて、幹部や経営メンバーを集めた。
今回は、初めからやりたいことが明確である。ベビーシッターのCtoCサービスだ。
宿泊サービス「Airbnb」のような誰もが参加できて、誰もが使いやすい、誰もが平等な、24時間利用できるベビーシッターサービスを提供したい。それを実現するには、開発とデザイナーが何よりも必要だ。今回は最初からテクノロジー企業にしてみたかった。ヒューマンタッチな部分が多いサービスだから、開発は内省化のほうが良さそうだと判断した。でも、どうやってきっかけをつかんだらいいのか分からなかった。
「どこから始めればいいのか?」
「早くサービスをスタートしたい」
「他社が先にやってきたら悔しすぎる」
「どうしよう、どうしよう」
やっと見つけた人生での壮大な目標。頭の中にある、理想のベビーシッター文化を早く目の前の形にしたくて、世の中に提供したくて、ウズウズしていた。
ところが、ふと思った。焦るのはやめよう。命をお預かりするサービスだ。会社が永続することが何よりも前提条件となる。だからこそ、しっかりした基盤を作らなくては。
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