マニュアルを覚えてはいけない? 知られざる「航空整備士」のヒミツ:水曜インタビュー劇場(整備士公演)(4/7 ページ)
空港には飛行機の整備士がたくさんいるが、彼らはどんな仕事をしているのだろうか。JALの整備士に話を聞いたところ、それはそれはたくさんあって……。
バードストライクが多い理由
土肥: ただ、バードストライクってそんなに多くはないですよね。
小久保: いえ、実は多いんですよ。2014年の数字をみると、国内だけで年間1967件。
土肥: そ、そんなに。
小久保: なぜバードストライクが多いかというと、空港の立地が関係しているんですよね。日本の空港は海に面しているところが多いので、海鳥がたくさん飛んでいる。また、セキュリティの関係で草を短く刈っています。草が長くなると人間が隠れることができてしまうので、草は短くしなければいけません。また、空港には犬とか猫とかウサギといった外敵がいないので、虫が増える。草は短く、虫はたくさんいるので、鳥にとっては“楽園”のような感じ。簡単にエサを見つけることができるので、たくさん集まってくるんですよね。
土肥: 整備士はエンジンを点検したり、修理したり――そんなイメージが強いのですが、機内の中もチェックされるのですね。意外。
小久保: 短い時間の中で点検しなければいけないので、機内のトラブルについては基本的に客室乗務員からの連絡を受けて行います。例えば「この席のイヤフォンが聞こえにくい」「座席のシートが汚れている」といった情報を受けて、点検します。イヤフォンが聞こえにくいのであれば、ジャック部分を交換したり、座席が汚れていれば、シート部分を交換したり。ちなみに、そうした情報はコード化された数字とアルファベットで送られてくるんですよ。暗号みたいなものですね。
土肥: ほー、それはなぜ?
小久保: そのほうが速いんです。
土肥: メールではダメなのでしょうか。例えば、「12列A席のイヤフォンが聞こえにくいようです。点検お願いします」といった文面で。「12列A席」の部分だけ書きかえればいいはず。
小久保: 「座席が汚れている」とか「イヤフォンが聞こえにくい」といった内容のコードを打ち込むだけなので、そちらのほうが速いですね。
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