コラム
マクドナルドは復活することができるのか(2/5 ページ)
ハンバーガー業界に次々と新興勢力が登場している。迎え撃つ既存勢力もふと気がつくと強大なリーダー企業・マクドナルドの迷走によって相対的にポジションが変化して優位なポジションを占めている。そうなってくると、一層厳しくなるのがマクドナルドの復活だ。
変化した既存勢力のポジション
モスバーガー、フレッシュネスバーガーなどの既存勢力は、以前ならマクドナルドと比較され、「高価格チェーン」と認識される傾向が強かったように思われる。しかし、現在のモスバーガーのメニューは220円〜550円で、400円未満の商品が半分を占めるという。フレッシュネスバーガーも350円〜760円という価格の中、マクドナルドの価格帯と重なる400円未満の商品が半分以上を占めるという。
各社の価格設定の意図はさまざまな要素が絡み合っているはずだが、業界リーダーのマクドナルドの価格戦略に影響を受けていることは間違いない。
マクドナルドの価格戦略といえば、日本マクドナルド創業社長の藤田田氏が1900年代後半のデフレ時代に一気に低価格化して業績を大きく伸ばし、一時は「デフレ時代の勝ち組」とも呼ばれた。しかし、2000年に入り円安と行きすぎた客単価の低下で業績が大きく低下。その後、米本国からのテコ入れもあり、2005年の原田泳幸氏社長就任以来、客数維持のため100円メニューを拡充する一方、レギュラー商品の価格は一貫して値上げの方向性を取り続けた。
その結果、モスバーガーやフレッシュネスバーガーとの価格差が縮小。今まで「高いから」と両チェーンを敬遠していたマクドナルド派の消費者もそこに気付き、顧客が流出することとなった。
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