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なぜ今“昭和型”コーヒーチェーンが増えているのか:新連載・消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(1/5 ページ)
コンビニコーヒーなどに押されて苦戦を強いられてきた「喫茶店市場」。しかし、ここ数年でV字回復の兆しを見せているのをご存じだろうか。そのけん引役になっているのは、西海岸風のオシャレな1杯……ではなく、日本の昔ながらの“昭和型”喫茶店だ。
編集部より
日々刻々と変化する市場の中で、ある企業は成長を遂げ、またある企業は衰退していく。これらの“差”を生みだす要因とは。20年以上にわたって消費トレンドと企業戦略の関係について分析してきたJMR生活総合研究所による新連載をお届けします。
「異業種」との競争が激化するコーヒーチェーン市場
1杯のコーヒーをめぐる競争が激化している。「コンビニコーヒー」と「家庭向けコーヒー」の台頭で、喫茶店市場を取り巻く環境は近年いっそう厳しさを増している。
2014年のコンビニコーヒー市場規模は1756億円と、前年比152.8%の急成長を遂げている。中でも、セブン-イレブン・ジャパンは14年12月に「セブンカフェ」の年間販売目標を従来の6億杯から7億杯へと上方修正するなど、同社の業績をけん引するヒット商品となっている。
一方、家庭向けコーヒーも、ネスレ日本のコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」が昨年5月に国内累計販売台数200万台を突破するなど、その好調ぶりがうかがえる。
このように異業種から攻め込まれ、従来からの喫茶店市場は長期的な縮小トレンドが続いてきた。しかし、ここ数年で変化が起きつつある。幅広い食事メニューやゆったりとくつろげる空間などが人気となり、喫茶店市場が再び回復に向かい始めているのだ。
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