マクドナルドは復活することができるのか(4/5 ページ)
ハンバーガー業界に次々と新興勢力が登場している。迎え撃つ既存勢力もふと気がつくと強大なリーダー企業・マクドナルドの迷走によって相対的にポジションが変化して優位なポジションを占めている。そうなってくると、一層厳しくなるのがマクドナルドの復活だ。
バリュープロポジションで考える、その他各社のポジション
さて、今日の状況を冒頭の新興勢力をこの図に加えてみるとどうなるだろう。高価格だが顧客の満足度が高いシェイクシャックとベアバーガーは間違いなく「プレミアム戦略」のポジションである。それに比べると、モスバーガーとフレッシュネスバーガーは随分と庶民的な価格だ。「中価値戦略」のポジションに収まる。それに、本来そこを牙城としていたはずのマクドナルドは、前述の通り「エコノミー」と「単なる値上げ」のポジションであると消費者から認識されてしまっているので、そこはぽっかり空き地になっているのだ。加えて、「今まで高かったイメージがあったが実は高くなかった!」という消費者の認識からすると、低価格帯メニューは「グッドバリュー戦略」のポジションも併せて獲得できているかもしれない。
価格と価値が正比例する関係を「バリューライン」と呼ぶ。言ってみれば、価格なりの品質を提供しているという、いわば当たり前なポジションだ。その意味では、「中価値」と同時に「グッドバリュー」のポジションを獲得しているモス、フレッシュネスは、マクドナルドの失策に乗じて一気に攻勢をかけるチャンスを生かしていると言えるだろう。
さらに、バリューラインで見れば、ザ・サードバーガーが「高価値戦略」のポジションを明確に狙って来ていることが分かる。「マクドナルドと1000円超えバーガーの中間」を明言し、こだわりの味作り・モスとフレッシュネスの高価格帯の範囲と被っているため「価格は中程度・価値は高い=高価値戦略」のポジションにピッタリはまっているのである。
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