トラブル発生! 航空整備士は何を考え、どう対応しているのか:水曜インタビュー劇場(整備士公演)(1/6 ページ)
飛行機にはさまざまなトラブルが発生するが、航空会社の整備士はどのように対応しているのか。JALで整備士として活躍されている小久保吉純さんに話を聞いた。
飛行機にはさまざまなトラブルが発生するが、航空会社の整備士はどのように対応しているのか。もちろん、トラブルだけではない。予測不能な出来事に対して、どのようなことを考え、どのような整備を行っているのか。JALで整備士として活躍されている小久保吉純さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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トラブル発生、まず考えること
土肥: 前回はJALの「整備士」はどんな仕事をされているのか、といった話を中心にうかがいました。飛行機が到着して、次の空港に向かって離陸する。その間のわずかな時間に、整備士はさまざまなことを点検される。機体に鳥が当たって凹んでいないか、機内のWi-Fiに不具合は生じていないか。そんなトラブルが発生すれば、整備士はきちんと対応しなければいけない。与えられた時間は短く、しかも少人数で修理していかなければいけません。
ここで質問。何らかのトラブルが発生したとき、まずどのようなことを考えるのでしょうか?
小久保: 「このままで飛行機を飛ばすことができるのか。それともダメなのか」――。この判断をしなければいけませんが、これはそれほど難しくありません。前回もご説明した通り、マニュアルを読めば分かることですから。整備士を悩ませるのは、問題が見つからないことなんですよ。どこに問題があるのか、何が問題なのか。目で見えている部分は問題ないけれど、見えない部分は壊れているかもしれない。
こうしたケースでは、さまざまなリスクを考えて「飛行機を飛ばせる確率は○○%」といったことを頭の中で考えなければいけません。また、そのトラブルが発生した時間帯によっても違ってくるんです。例えば、日中であれば、夜まで時間がある。ところが、夜の最終便で原因が分からないトラブルが発生すると、目的地の空港の関係で時間が制限されます。
土肥: ○時○分までに出発しなければ、目的地の空港が閉まってしまう、ということですか?
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