トラブル発生! 航空整備士は何を考え、どう対応しているのか:水曜インタビュー劇場(整備士公演)(4/6 ページ)
飛行機にはさまざまなトラブルが発生するが、航空会社の整備士はどのように対応しているのか。JALで整備士として活躍されている小久保吉純さんに話を聞いた。
窓からお客さんの視線
土肥: 他のセクションとの調整が必要になるわけですね。あ、頭が痛くなってきた。
小久保: 同じ機種でも、座席数が違う場合もあるんですよ。例えば、国内線は250席なのに、国際線が200席の場合、国際線に変えると50席減りますよね。それでも対応できるかどうかを含めて、考えなければいけません。
土肥: 状況を判断して、短い時間の中で決断しなければいけない。プレッシャーを感じますね。
小久保: 整備士全員が感じているでしょうね。最も困るのは、お客さまに見られていることなんです。
土肥: ん? どういうことでしょうか?
小久保: 私たちが整備をしていると、ゲートラウンジの窓からお客さまが「まだか、まだか」といった感じで見られている。
土肥: それは確かにプレッシャー。ははは……あ、すいません。
小久保: 私たちは「できるだけ早く」そして「定刻通りに飛行機を飛ばしたい」と思っています。でも、現場で作業をしている担当者にプレッシャーを与えてはいけません。なぜならプレッシャーを感じて、作業をミスしてしまうかもしれませんから。意識レベルを高めることは重要ですが、一番高いところを越えてしまうと逆に危ない。いわゆる“てんぱった”感じになるので、そういった状況に追い込んではいけません。
土肥: 整備をしている担当者の横で「ほら、急いで、急いで」と言ってはいけない?
小久保: 絶対にダメ。
小久保: 「急いで」とは言いませんが、「この作業は確認したのか?」「間違いはないのか?」といったことは言うようにしています。
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