変化のスピードが速い中で、会社をどのように変えたのか――LINE元CEO・森川亮氏(4/5 ページ)
「変化のスピードが速くてついていけない」といった悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのでは。そんな人に、LINEで社長として活躍し、現在はC Channelで社長を務めている森川亮さんの話を紹介しよう。
ヒット商品を生み出す仕事に集中
2つめは、定例会議をなくしたこと。多くの会社は週1回、定例会議を行っていると思うのですが、それだと変化のスピードに追い付けなくなってしまうんですよ。定例会議をやめて、決めなきゃいけない瞬間に集まって決める、というやり方に変えました。
結果「会議が仕事だ」と思っている人たちの仕事がなくなりました。マネージャークラスの人って、1日中会議があったり、部下を評価したり、レポートを書いたり、飲み会などに参加したりして、ものすごく忙しい。ヒット商品を生み出す仕事をしていないんですよね。これではダメなので、定例会議を廃止して、ヒット商品を生み出す仕事に集中してもらう環境にしました。
あと「リスクマネジメント」「コンプライアンス」「ガバナンス」などを言う人が、会議に呼ばれなくなりました。どういうことかというと、磨き上げる仕事においては、リスクとかコンプライアンスは大事なのですが、モノをつくる仕事においてはリスクはあって当たり前なんですよね。大事なことはリスクを指摘することではなくて、それを解決すること。「リスクマネジメントは必要だ」などを言う人は言うだけで、問題を解決しようとしません。ということで、会議に呼ぶ必要がなくなりました。
3つめは、事業計画の共有化をやめたこと。事業計画は頻繁に変えていて、その変化に対応できない人は疲れてしまうんですよね。というわけで事業計画はこっそりつくって、こっそり変えるようにしました。
また日本人は「情報共有」が大好き。そこらじゅうの情報を吸収したがるのですが、それってほとんど意味はないんですよ。情報を吸収すればするほど、いろんなことが気になってしまって、目の前の仕事に集中できなくなってしまう。仕事で成果を出すためには、集中力が大事なので、関係のない情報を吸収しないようにしました。
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