なぜマラソンビジネスが巨大化しているのか:来週話題になるハナシ(2/4 ページ)
いま、米国ではマラソンがとんでもない盛り上がりを見せている。国際的に有名なニューヨークシティマラソンなどのほかに、国内で約1200もの大会が開催されている。マラソン大会が増え続けている背景を調べてみると……。
マラソン関連のビジネスが活性化
まず、注目すべきなのが、女性ランナーの増加だ。ニューヨークシティマラソンでは、女性ランナーを増やすことで、参加者全体の規模を押し上げることに成功した。ちなみに、現在は女性ランナーが占める割合は全体の40%ほどだ。
米国のマラソンランナー人口の一般的な統計を見ると、1980年にはわずか10%ほどしか存在しなかった女性ランナーが、2014年には43%にまで拡大している。女性ランナーの増加により、マラソン関連のビジネスも活性化している。ランニングシューズやウエアなどの売り上げは好調で、関連企業はさらなる女性顧客の獲得に力を入れている。
ニューヨークシティマラソンのタイトルスポンサーを務めるTata Consultancy Services(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)によると、大会までの練習期間中にランナー1人当たり平均2足のランニングシューズを履き潰すそうだ。マラソンブームのおかげでランニングシューズ業界の規模は約31億ドル(3805億円)に成長している。
しかし、なぜ女性ランナーが増加しているのか? その理由は、マラソン大会がタイムを競うレースから、レクレーションとして楽しめるイベントへとシフトしていることがある。
近年、マラソン大会が多様化しているのも、こういった背景が影響している。例えば、体力に自信がない人や初心者でも手軽に楽しめるように、ハーフマラソン、5K(5kmマラソン)や10K(10kmマラソン)などのマラソン大会が次々と新設されている。
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