人工知能を備えた「恋人型ロボット」が売れる!:森永卓郎の“白馬の王子”理論(3/3 ページ)
ロボットと人工知能の組合せによる「第四の産業革命」が起こりつつある。この革命を制する国が世界経済を制すると言われる中、日本に大きな勝機をもたらすであろう新商品があるのだ。
だから、第四の産業革命の下では、男たちは人間の女性に興味を失い、恋人型ロボットと暮らすようになるのではないか。女たちも当然そうなる。そのうち、正式にロボットとの婚姻届も受理されるようになるかもしれない。
結婚できない男性や女性が増えていくのは、経済の弱肉強食化が進む世界共通の傾向だ。だから、恋人型ロボットは、日本産業の独自製品として、圧倒的な国際競争力を持つことになるだろう。日本の製造業は、自動車産業に代わる主力産業として、恋人型ロボット産業で発展していくことになるのではないか。日本が再び「世界の工場」として復活する日も、そう遠くないのかもしれない。
ただ、大きな問題として、恋人型ロボットは、出産ができないということだ。だから恋人型ロボットで日本の産業が活性化しても、少子化は加速していく。それがこれからの日本の姿なのではないだろうか。
著者プロフィール
森永卓郎(もりなが たくろう)
東京都出身。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発(株)総合研究所、(株)UFJ総合研究所等を経て、現在、経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。
専門は労働経済学と計量経済学。そのほかに、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。2014年10月自身のコレクションを展示する「B宝館」を開設。
主な著書に『<非婚>のすすめ』(講談社現代新書 1997年)、『バブルとデフレ』(講談社現代新書 1998年)、『リストラと能力主義』(講談社現代新書 2000年)、『日本経済「暗黙」の共謀者』(講談社+α新書 2001年)、『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社 2003年)、『庶民は知らないアベノリスクの真実』(角川SSC新書 2013年)など多数。
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