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人工知能を備えた「恋人型ロボット」が売れる!:森永卓郎の“白馬の王子”理論(2/3 ページ)
ロボットと人工知能の組合せによる「第四の産業革命」が起こりつつある。この革命を制する国が世界経済を制すると言われる中、日本に大きな勝機をもたらすであろう新商品があるのだ。
恋人型ロボットが活躍
こうしたロボットと人工知能の組み合わせによって、今後生まれてくる最大の商品は「恋人型ロボット」だろう。
今や日本の30代前半男性の非婚率は50%を超えている。だから、独身者のパートナーとして、人工知能搭載の恋人型ロボットが活躍するようになるだろう。既に技術基盤は出来上がっている。
まず、駆動系については、ホンダの「ASIMO」が、しゃがんだり、前傾姿勢で走ったりできるようになっている。外装も、日本のフィギュアの造形技術は世界一だし、ラブドールの技術革新も著しい。ラブドールメーカーのオリエント工業の工場とショールームを見学したことがあるのだが、最近のラブドールは、1メートル離れたら、人間の女性と区別ができないくらいのリアリティを実現している。特に、この数年の作品は、顔に意図的に欠点を入れ込むことで、リアリティを増しているのだ。こうした技術基盤の上に、人工知能の技術を盛り込んだ頭脳と駆動系を加えれば、完璧な恋人のでき上がりだ。
人間の女性は面倒くさい。すぐに泣くし、すぐに裏切るし、約束の時間に来ないし、へそを曲げる。何より、すぐにイケメンの言いなりになってしまう(女性に聞くと、男性も同じくらい面倒くさいそうだ)。それと比べたら、人工知能を備えた恋人型ロボットは、どのようなテイストにも仕上げることができる。
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