日本の女性活躍に向けた5つの優先施策とは?(2/6 ページ)
日本企業で女性の就労を男性と同じ水準へと増やすだけで、GDPが最低でも9%増加すると言われている。いかにして女性の活躍の場を創出するべきか。5つの優先施策を紹介したい。
発揮されていない潜在能力
2012年、Strategy&は世界128カ国における女性の社会進出状況を分析した「Empowering the Third Billion(第三の10億人のエンパワーメント)」(※2)という報告書を発表した。この報告書では、経済的繁栄と女性の社会進出の間に相互関係があることを確認し、女性が仕事を通じて経済に貢献できる能力を指標化し、各国をランク付けした。
女性の実際の社会進出状況を示す「アウトプット」指標において、日本は128カ国中78位と、ボリビア、コスタリカ、グルジア、韓国といった国々と同程度であった(図表1参照)。
その一方で重要なのは、日本は、女性の経済的地位を向上させるために国が導入している施策の充実度合いを示す「インプット」指標においては、128カ国中29位と、ずっと高い結果となっていることである(図表2参照)。
この調査からは、日本では、女性の準備が整っているだけでなく、女性が働きその能力を発揮するために、必要かつ意味のある対策が講じられていることも示唆される。しかしながら、結果が伴っていない。日本の女性は優れた人材となる可能性が十分ありながら、実際にはその能力を発揮する機会を与えられていないのである。
※2 この報告書によると、世界では2020年までに、2012年と比べてさらに10億人の女性が経済活動に関与するようになる。我々は、このグループを「Third Billion(第三の10億人)」と名付けた。なぜなら、このグループの持つ経済力は、中国やインドという、10億人強の人口を持つ国家のものと同等となるからである。Strategy&の「サード・ビリオン」専用ページは、以下のURLからアクセスできる。http://www.strategyand.pwc.com/jp/home/publications/third_billion-jp 出所:Strategy&
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