白鵬の頭の中に「引退」の文字はチラついているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
10年ぶりに日本出身の力士・琴奨菊が優勝したことで、角界が大いに盛り上がった。その一方で気になったのは、横綱白鵬だ。周囲からは「引退の文字がチラついているのでは!?」という声が出ているが、本当にそうなのか。
呆気ない形で喫した最後の2連敗。千秋楽のNHK大相撲中継では日馬富士に敗れた白鵬について次のような実況席のやり取りが聞かれた。
実況アナウンサー: こんな白鵬は見たことがないといった内容です。
正面解説・北の富士勝昭氏(第52代横綱): 白鵬らしくないねえ。気持ちが切れてる。
向正面解説・舞の海秀平氏(元小結): ケガとかそういうことではなく、気力が少し衰えているのかなと、モチベーション下がっているのかなと。もしかすると、この白鵬の目標というのは優勝とは違ったところに向かっているのかもしれないですね。
アナウンサー: というのは?
舞の海氏: 引退後のことですよね。そういうことも少しチラついてきているのかなと思ったりもしますよね……。北の富士さん、あの〜(自分の発言を聞いて)今、笑ってましたけども……。
北の富士氏: また(そういう発言をすると)怒られるぞ。ああ、そう……。しかし、またその……。(来場所以降の白鵬の)巻き返しがキツくなると思いますけれどもね。
白鵬はまだ現役を続けている身であり、ギネス記録にも認定されている史上最多の幕内最高優勝35回を誇る「平成の大横綱」だ。その他にも、ここに記せばキリがないほどに数々の記録を持ち、今場所13日目では鶴竜を送り出しで破って昨年11月に急逝した北の湖前理事長が持つ横綱最多670勝に肩を並べている。そういう観点から考えても北の富士氏が指摘した通り、確かに舞の海氏の発言は「不謹慎」あるいは「軽率」と物議を醸しても不思議のないような“失言”であった。
しかも、舞の海氏はメイン解説席の正面ではなく向正面とはいえ、公共放送の解説者の立場だ。ちなみにこの千秋楽の平均視聴率は、ビデオリサーチ社調べで関東地区が24.0%、関西地区で22.6%もの高視聴率を記録している。そのデータが示すようにNHK大相撲中継では多くの視聴者が自身の発言の向こう側には常にいることを十分に再認識してほしいと舞の海氏に対して切に願う。
関連記事
- “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 「SMAP」はどうなってしまうのか スポーツ界で最も慌てたのは
独立騒動の渦中にあるSMAPが、グループの存続を宣言した。テレビを見て「すっきりしないなあ」と思われた人も多いと思うが、スポーツ界も同じ。中でも最も慌てているのは……。 - ベッキーの謝罪会見は、なぜ「質問禁止」だったのか
人気タレントのベッキーに、初スキャンダルが発覚した。所属事務所内でベッキーは緊急会見を開いたものの、メディアからの「質問」は一切受け付けなかった。果たしてこの戦略は“正しかった”のか、それとも……。 - 安藤美姫はよく批判されるのに、なぜ“売れっ子”なのか
元フィギュアスケートの世界女王・安藤美姫さんがスペインのリンクに登場した。プロフィギュアスケーターとして華やかな演技を見せたこともあって、海外メディアからは好意的な報道が目立った。しかし、母国の日本では彼女の評判はよくない。 - なぜ亀田3兄弟は毛嫌いされるのか
プロボクシングで活躍する亀田3兄弟へのブーイングが止まらない。世界王者に善戦し、僅差による判定負けでも非難されている。ギネス世界記録に認定された史上初の3兄弟世界王者なのに、なぜ毛嫌いされるようになったのか。その理由を探っていくと……。 - ご存じ? 今「新日本プロレス」が盛り上がっている
「プロレス? 昔は好きだったけどなあ」という人も多いのでは。日本のプロレス界は長きに渡って低迷を続けているが、実は1社だけ“ひとり勝ち”をしている団体がある。「新日本プロレス」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.