白鵬の頭の中に「引退」の文字はチラついているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
10年ぶりに日本出身の力士・琴奨菊が優勝したことで、角界が大いに盛り上がった。その一方で気になったのは、横綱白鵬だ。周囲からは「引退の文字がチラついているのでは!?」という声が出ているが、本当にそうなのか。
白鵬が「引退」を考えていない理由
それでは横綱白鵬は今、何を考え、そして今後はどこに向かおうとしているのだろうか。まずハッキリと言い切れるのは白鵬に「引退後のことも少しチラついている」「目標が優勝とは違ったところに向かっている」などといった考えは微塵(みじん)もないということだ。それは千秋楽を終え、優勝を逃したことについて白鵬が「この敗北を明日の勝利につなげたい」とサバサバとした表情を浮かべながら述べ、来場所以降に気持ちを切り替えたことからも十分に伝わってくる。
そして「気持ちも切れかけたが、モチベーションを上げ自分なりにがんばれた」と自身についてプラス要素が大きかったことを強調し、今場所を総括。琴奨菊が日本出身力士として10年ぶりに賜杯を手にしたことには「10年間、角界を引っ張ってきた実績もある」と横綱としてのプライドを誇示しながらも「本当に今場所の大関は強かった。おめでとうございます」と素直に相手を称えたところには、横綱の品格も漂っていた。
優勝回数だけでなく、あと1勝で横綱最多勝利も単独トップに躍り出る白鵬はこうした記録更新以外にも今後トライを続けていこうと頭の中で思い描いていることがある。それは技術の精進。つまりは新たな取り口を磨くことだ。
そのあくなき探究心と貧欲な姿勢は、今場所でも見え隠れしていた。例えば、4日目に組まれた宝富士との一番。左手で突きながら右に動く立ち合いを見せ、右四つ左上手の得意な体勢に持ち込んで寄り切って完勝を果たした。相手よりもやや遅れたように見せて先手を奪う高等技術の「後の先(ごのせん)」を前日3日目の松鳳山戦と同じように駆使した。
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