紅白歌合戦で39度の高熱、この失敗が仕事の意識を変えた:新連載・MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(2/3 ページ)
20年以上もプロとしてステージに立ち続けてきたMAXのLINAさん。さまざまな仕事の中で経験したこと、学んだことなどをこの新連載でビジネスパーソンに伝えていきます。
コンディション管理は無茶苦茶
もちろん、それでも失敗してしまうことはあるし、無理がたたって体調を崩してしまうこともあります。
肝心なときに限って風邪などを引いてしまうことは誰もがあるはず。
いまだに忘れることのできない、苦い経験を1つお話します。1998年の大みそか、NHK紅白歌合戦に「Ride on time」で出場したときのことです。初出場の前年に続き、紅白歌合戦は2度目の出場でした。
毎回、歌番組に出演するときは「テレビサイズ」といって、本来の曲の長さよりも短い分数の中で収めなくてはなりません。そこで、歌の良さを引き立たせ、グループとしての魅力を伝えられるようリハーサルに入り、何度も振り合わせをするのです。このときは2度目の紅白出場ということもあって、不安よりも「決めてやる!」という期待感のほうが大きく、それに向けて気分を高めていきました。
ところが、何と本番当日に39度の高熱を出してダウンしてしまったのです。踊りはおろか、立つことさえもしんどく、何とかして会場のNHKホールにたどり着いたものの、すぐに医務室で休んでしまうようなありさま……。最終的にはドクターが来て、大っ嫌いな注射をお尻に打つはめに……。人生初のお尻に注射は恥ずかしかったですが、おかげで本番を何とか乗り切ることができました。
当時は20代前半という若さもあって、正直言ってコンディション管理は無茶苦茶でした。むしろコンディション管理するなんて考えたことすらなかったくらいです。例えば、2時間を超えるコンサートが終わった後もまだ元気が有り余っているので、翌日の早朝に仕事があってもお構いなし。ストレス発散のために睡眠時間を削って遊ぶことも多かったです。今思えば、仕事に対するプロとしての意識が薄かったのかもしれません。
けれども、“注射騒動”以来、関係者の皆さんに迷惑をかけた挙句、ベストなコンディションでステージに立てなかったことが悔しくてたまりませんでした。もう他人に迷惑をかけたり、仕事で不十分なパフォーマンスしか発揮できずに自分自身も後悔するようなことはしたくないなと思うようになり、コンディション管理も大事な仕事の1つとして心掛けるようになりました。
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