人工知能と外国人に、私たちの仕事は奪われてしまうのか:水曜インタビュー劇場(消える仕事公演)(4/6 ページ)
人工知能によって、自分の仕事が奪われるかもしれない――。そんな不安を感じたことがある人も多いと思うが、実際のところどうなのか。このテーマを調査した、野村総合研究所の担当者に話を聞いた。
外国人労働者は日本にやって来ない
土肥: 近い将来、日本は労働者が不足する……という話がでました。ということは、機械化の導入が進まない職場では、外国人労働者を増やさざるを得なくなりますよね。
寺田: はい。ただ、外国人は日本にやって来ませんよ。
土肥: えっ、どういう意味でしょうか?
寺田: 理由は2つあります。1つは、政府は外国人に「どうか日本に来てください」とアピールしていますが、来ませんよ。なぜか。いま、中国から人材が海外に流出していますが、2025年から2030年にかけて、労働輸入国になるんですよね。中国は2012年に、生産年齢人口がピークを迎えました。つまり、これからは日本のように高齢化社会になっていくということなんですよ。となれば、介護士とか看護師が不足するはず。
そのときに、人口が増えているインドやインドネシアは選択肢が2つあるんですよ。あなたは、中国に行きますか? 日本に行きますか? と聞かれたときに、彼らはどのように答えるか。欧米諸国を除いた前提で話をすると、「中国」と答えるはず。
土肥: なぜですか?
寺田: 日本はキャリアのデッドエンドだから。
土肥: デッドエンド……日本は、先が見えない行き止まりだからですか。
寺田: はい。日本で働いて、日本で暮らしたいと思っている人であればいいのですが、そういう人は少ない。多くの外国人労働者は、海外で働いて、そこでキャリアを積んで、さまざまなことを学んで、母国に戻って、よりよい生活を送りたいと思っている。
インドやインドネシアにはたくさんの中国人が住んでいるので、中国で働けば、帰国した後にも仕事があるんですよね。華僑のコミュニティーで働くことができる。
じゃあ、日本はどうか。日本で働いて、母国に帰って日本の文化や言語を生かすことができるのか。華僑のような大きなコミュニティーがないので、仕事がないんですよね。
土肥: なるほど。
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