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フランスで「食品廃棄禁止法」が成立、日本でも導入すべき意外な理由世界を読み解くニュース・サロン(6/6 ページ)

フランスで「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する法律が成立した。世界で類を見ない画期的な法律であると世界各地のメディアで取り上げられ話題になっている。課題もたくさんあるが、フランスのこの取り組みは日本でも参考になるのではないだろうか。

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 そうした活動を後押しする意味でも、フランスのように、大規模なスーパーマーケットを対象に廃棄食品を禁止するという決まりを作れば、助かる人々は少なくない。しかも廃棄するのが「もったいない」食品を有効活用することにもなる。その上で、商習慣を見直し、供給サイドの抑制などへの対策も進めればいいのではないだろうか。

 フランスのように法律にするのは極端すぎるかもしれないし、今回の廃棄禁止法には改善すべき課題も噴出している。だがフランスの前例に倣(なら)って改善させればいい。

 賞味期限切れ食品の廃棄禁止は、貧困と食品ロスの問題を一石二鳥で解決する可能性を秘めているのである。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。


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