研修に効果がない理由は、老人が若々しくなった理由と似ている(1/2 ページ)
がんばろうというチームに入れば、日々努力しますが、だらけたチームに入ればサボリ癖がつきます。人には誰しも、孤独を避けたいという心理が働くからかもしれません。
人は周囲の期待や扱いに合わせて、自分のありようを変えていく。
多かれ少なかれ、人は周囲が期待するように振る舞い、周囲が予想するようになっていくものです。「おじいちゃんもお父さんも東大を出ているんだから、あんたも頭がいいんだよ」と言われると、子どもはそうかと思いこみ、自信を持ち、勉強し、賢そうに振る舞います。
逆に、アホだバカだと言われると、どうせやっても駄目だと思うので、そのようになっていきます。社長さんだって、昔から社長然としていたわけではなく、社長になり、周囲からそのように扱われるようになるから、社長らしく振る舞うようになるものです。伝統芸能の跡継ぎが、子どものころからそれなりの雰囲気をたたえているのは、血筋というよりは、周囲の期待や予想に沿うようにしているからだと考えられます。
また、人は周囲に合わせて行動します。皆がやっているから、というのが自分の行動を選択する十分な理由になります。非常ベルがなっているのに、大きな地震が起こったのに、周囲の人たちが平然としているから、という理由で避難せずじっとしていたりするのは典型例です。不良集団に入れば不良のような行動をとるようになり、不良っぽい見た目になっていきます。
がんばろうというチームに入れば、日々努力しますが、だらけたチームに入ればサボリ癖がつきます。人には誰しも、孤独を避けたいという心理が働くからかもしれません。いずれにしても、本人の才能というよりは、どのような環境に身を置くかで、行動や成果は大きく変わるのです。
「最近の老人は元気だ」というのも、このような傾向から説明できます。年寄りの割合が増えてくるということは、年寄りが珍しくなくなるということ。自分のような年齢や見た目の人達がたくさんいるわけなので、「老いた」という実感が乏しくなります。周囲の人達にしたって、頻繁に目にする年寄りが昔と同じような尊敬すべき、大切にすべき存在とは映りませんので、だんだんとその扱いが軽くなっていくのは自然なことです。
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