40代以上はいらない 中年キャリアの危機(1/4 ページ)
リストラは突然やってくるのではありません。年功序列が崩れた今、会社の危機の兆候に気付かずリストラされたとしたら、残念ながらキャリアの選択肢は限りなくなくなります。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。
日本を代表する企業がその存続を危ぶまれたり、外国企業に身売りといったニュースは、もはや珍しくなくなりました。企業が別法人に買収されるとき、その人員がどうなるかは大きな問題です。特にシャープの買収においても40代以上の雇用が危ぶまれるなど、正にキャリア危機を考えざるを得ません。
40代以上はいらない
すっかりニュースでも報じられまくったシャープの買収ですが、今その買い主と目される台湾の企業・鴻海の郭会長は「40歳『未満』の従業員の雇用は守る」と宣言したそうです。これはいわば「40代以上の雇用は守らない」との宣言だということで、シャープの成り行きは人ごとではありません。
同じく経営が危機的状況にあるといわれる東芝でも、7000人とも1万人ともいわれる規模の人員削減が検討されているとの報道があります。かつて日本を代表する企業だった東芝もシャープも、これだけの人員を支えきれなくなっている事実は、「中年のキャリア」がこれまで以上に深刻な問題になっている実例といえます。
生き残る企業でものんきにしていてはいられません。日立やパナソニックでは年功制賃金体系廃止を検討するとして注目されました。滅私奉公で若いうちは低賃金でも、年を取ってからの昇給でモトが取れるはずだった、日本的経営の柱・年功序列は崩れてしまっています。
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