40代以上はいらない 中年キャリアの危機(2/4 ページ)
リストラは突然やってくるのではありません。年功序列が崩れた今、会社の危機の兆候に気付かずリストラされたとしたら、残念ながらキャリアの選択肢は限りなくなくなります。
リストラされてから生き残る道は……ない
これまで私は再就職支援に携わってきましたが、リストラはある日突然やってくると思う人が多いことに驚きます。全く何の予兆もなく、突然呼び出されてリストラ勧告を受けるということが、全くないとは言いません。しかし本稿で例示している企業は、日本を代表する大企業ではあるものの、経営不振についてはかなり前から報道されています。
社外の一般人ですら報道で理解しているようなことを、当事者としてどう受けとめていたのでしょうか。企業業績が悪化するプロセスで、ボーナスが減ったり昇給が減ったり、あるいは新規事業が中止されたりなど、その予兆は何らかの形で出ているはずです。また、業務に真剣に取り組んでいれば、市況の悪化や取引先の状況変化、環境変化なども、むしろ経営陣より先に感じ取れても良いくらいです。
リストラは突然やってくるのではありません。そこに気付かずにリストラされたという状況下では、残念ながら限りなくキャリアの選択肢はなくなります。つまり、リストラされた後、生き残ることは限りなく難しいのです。
リストラは予防できる?
21世紀の今でも、完全な治療法が見つからない病気はあります。リストラされても生き残ることは、現実には極めて厳しいという点で対応は無理です。しかし、少しでもそうなる可能性を排除することは可能です。つまりリストラ対策とは、リストラされないよう日頃から準備しておくこと以外に対策はないのです。
そのために必要な3条件があります。
- その1「業績把握」
自社の業績を把握していますか? 営業関連業務であれば、自分や自課自部門の売上や営業利益などは常時把握しているかと思います。自分の業績評価以外の目的で、そうした経営数値を見ているでしょうか。上場企業であればIR情報を通じ、より正確な実態が把握できます。
- その2「人間関係」
どんな組織でも、中年になるまでいれば、ただ仲良しだけでやっていくことはできません。だからといって自己主張、自分の都合やメリットしか顧みない姿勢では、このような雇用危機の際に致命傷を負う可能性があります。
大嫌いな人間が社内に1人や2人はいるとしても、圧倒的多数を占めるであろう、敵でも味方でもない中立者としっかりと関係性を築くべきです。自分のセクションの都合ばかりではなく、先方の都合であってもそこで権利主張するのではなく、可能な範囲でWinWinの関係性を社内において築くことは極めて重要です。
- その3「トランスファラブルスキル」
ポータブルスキルなどと呼ばれることもありますが、英語では「Transferable Skills」といいます。会社が傾く運命に、個人ができることは限られます。どれだけ頑張っても、会社が無くなってしまう事態まで行く可能性は誰にもあります。
そんなときに役立つのが、その企業リソースに頼る属地的能力ではなく、個人が持っている能力です。いわゆるつぶしが利く能力は、サバイバルの根本です。
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