連載
ついに「10速オートマ」の時代が始まる:池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)
オートマ車の変革スピードが加速している。以前は4段ギア程度がわりと一般的だったが、今では5段、6段も珍しくない。ついにはホンダが10段のトルコンステップATを準備中なのだ。いったい何が起きているのか。
逆に言えば、高速巡航を諦めるつもりならば、10倍近いレシオカバレッジを求める必要がない。基本的な使用用途が都市内移動であったり、高速道路の使用頻度が低いならば、従来のような6倍程度のものでもこと足りる。
これまで国内での低燃費技術は主にハイブリッドだった。しかし昨年、トヨタがオーリスで、ホンダがステップワゴンで小排気量ターボを手掛けて以来、国内メーカーでも小排気量ターボをラインアップに組み込む流れができつつある。
筆者は正直なところ、小排気量ターボには懐疑的な面もあるのだが、少なくともこれら小排気量ターボユニットを搭載するのであれば、レシオカバレッジの大きなトランスミッションは必須だと言えるのである。
ステップワゴンに搭載されたホンダの小排気量ターボユニット。排気タービンと触媒を抱きかかえるレイアウトはいかにも新しい時代を思わせるが、一方で冷却風に当てるため長く取られた吸気経路がトヨタとの思想的違い
筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
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