国産初ジェット「MRJ」を購入したのは、どんな人物なのか:世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」に、フォローの風が吹いている。米リース会社のエアロリースから最大20機の受注が決まったことで、関係者はほっとしたはず。ところで「エアロリース」社とは、一体どのような会社なのか。筆者の山田氏が調べてみると……。
MRJを評価する理由
三菱航空機は2018年にエアロリース社にMRJを納入する予定でいる。だがこれまで、材料の変更やスケジュールの見直しなど何度も納入期限を延長しており、今後また延期となる可能性がないとはいえない。
それでもソーントン代表がMRJの購入を決断したのには、もちろんMRJの性能をきちんと見定めているからだ。彼は、「購入を決めた最大の理由は、機体とエンジンの性能です。MRJは効率性がよく、三菱航空機は財政状態もいい。エンジニア的な専門性も評価しているし、私たちが長年付き合っているエンジン製造メーカーのエンジン(プラット&ホイットニー社製のGTFエンジン)を採用する点も評価している」と、MRJを信頼していると説明した。
ただずっとさかのぼれば、ソーントン代表が三菱航空機と発注合意するまでの道筋を作った背景には、飛行機製造とはほぼ関係のない、日本のバイクメーカーや自動車メーカーに対する評価や信頼があったと言える。スズキやホンダなどの国産メーカーが、航空機業界の「空白の40年」の間に地道に築き上げてきた世界での好意的な評判だ。
ソーントン代表がMRJを評価する裏に、そうした要素があるのは興味深い。だがこれは今回の話に限ったことではない。
例えば、日本という国が世界中で好意的に見られることが多い理由には、日本人が戦争の焼け野原からあっという間に復興して世界のトップに上り詰めた事実や、昔から築きあげられてきた“勤勉”というイメージがある。それを世界中の多くが評価しているからこそ、いま私たちが世界を旅すると、日本を尊敬していると声を大にして言う人たちが好意的に付き合ってくれる、という部分もある。
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