なぜ新宿駅で「迷う」のか 1日364万人をさばけるワケ:水曜インタビュー劇場(迷宮公演)(8/8 ページ)
新宿駅で迷ったことがある人も多いはず。プラットホームはたくさんあって、改札もたくさんあって……そんな駅で迷うのは当然と思っていたら「駅の構造を理解すれば、迷うことはない」と言う人がいた。詳しく話を聞いたところ……。
“つぎはぎ、つぎはぎ”の部分が増えていった
土肥: それは便利になりそうですね。ただ、なぜもっと早く工事をしなかったのでしょうか。半世紀前から新宿駅は利用者数がトップですよね
田村: 新宿駅が開業したのは1885年なのですが、当時利用者はほとんどいなかったんですよ。開業当初、街の中心は新宿三丁目あたり。ただ、人が郊外に住み始めるようになって、鉄道各社が増えていったんですよね。初めは山の手線だけだったのに、中央線、京王線、小田急線といった感じで、次々に路線が加わりました。
土肥: 開業当初は、東西に行き来する人なんていなかったので、横断できる通路は必要なかった?
田村: はい。時代によって人の流れは変わってくるので、どうしても“つぎはぎ、つぎはぎ”の部分が増えていったんですよね。結果、分かりにくい部分が出てきた――といった感じです。
土肥: なるほど。「ここに出口をつくれば便利なはず」と思ってどんどんつくっていったものの、逆に複雑化して分かりにくくなったわけですね。
とても勉強になりました。本日はありがとうざいました。ところで、エレベータはどちらですか? (取材は田村先生が勤める大学で行われた)
田村: 出口を出られて、左に曲がってください。最初の角を右に曲がって、次にまた右に曲がってください。そうすると、右手にエレベータが見えてきます。
土肥: 大学って……近代建築ですよね。な、なかなか合理的・機能的な構造じゃないですか(ニヤニヤ)。
田村: ははは。
(終わり)
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