なぜ新宿駅で「迷う」のか 1日364万人をさばけるワケ:水曜インタビュー劇場(迷宮公演)(7/8 ページ)
新宿駅で迷ったことがある人も多いはず。プラットホームはたくさんあって、改札もたくさんあって……そんな駅で迷うのは当然と思っていたら「駅の構造を理解すれば、迷うことはない」と言う人がいた。詳しく話を聞いたところ……。
新宿駅の構造は合理的・機能的
土肥: ところで、田村先生は駅の構造を分析されていますが、鉄道がお好きなんですか?
田村: いえ、鉄道のことは詳しくありません。近代建築を学んできまして、近代建築というのは「建物が合理的・機能的である」ことが特徴なんですよね。学生時代に、新宿駅を利用していたのですが、普段利用しないところを入ったときに、迷ってしまったんですよ。そのとき「あれ? 新宿駅は近代建築なはず。近代建築は合理的・機能的でなければいけないはずなのに、なぜ迷うんだろう?」と考えたことがきっかけで、駅の構造を分析することに。
土肥: 分析したところ、駅の構造は合理的・機能的だった?
田村: はい。駅としては理想的な構造をしているんですよ。でなければ、1日364万人もさばくことができませんからね。
でも、多くの人が迷う。なぜか。設計上は問題はないのですが、実際に利用してみると、使い勝手が悪い部分がどうしてもでてくるんですよね。
土肥: 例えば?
田村: 新宿駅を東西に行き来できれば便利だろうなあと思ったことがありませんか?
土肥: 思います、思います。大きな駅がドーンと構えていて、東から西または西から東に行くときには、遠回りしていますよ。JR新宿駅の構内って通れませんよね?
田村: 北連絡通路と中央連絡通路があるのですが、いずれも改札内なので、ここを通るには切符が必要になります。不便だなあと感じていた人が多いと思うのですが、こうした問題が解消される予定なんです。
東口改札と西口改札を結ぶ北連絡通路を拡幅して、東西に人が移動できる通路になるんですよね。2020年完成予定なのですが、この通路が完成すると人の流れがかなりスムーズになるはず。
関連記事
- 眼鏡がいらなくなる? 世界初の「ピンホールコンタクトレンズ」にびっくり
近視や老眼をコンタクトレンズ1枚でカバーできる「ピンホールコンタクトレンズ」をご存じだろうか。現在、臨床研究を進めていて、2017年度中の商品化を目指しているという。どのような原理でできているかというと……。 - 累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由
これまで“絶対にはずせない”と思われてきたネジを、“絶対にはずす”工具「ネジザウルス」(運営:エンジニア)をご存じだろうか。工具は年間1万丁売れれば大ヒットと言われている中、ネジザウルスは累計260万丁も販売。消費者の心を“つかんだ”理由について、同社の高崎社長に聞いた。 - 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。 - あなたは大丈夫? 10〜20年後、人工知能に奪われる仕事100
人工知能によってあなたの仕事が奪われるかもしれない――。このような不安を感じている人も多いのでは。ある調査によると「労働人口の49%が人工知能などによって奪われる」という結果がでたが、この数字をどのように受け止めればいいのか。 - カーシェア事業で、なぜ「パーク24」だけが黒字化できたのか
カーシェアリング事業の早期黒字化は難しいといわれている中で、パーク24が事業を始めてわずか5年で黒字を達成した。その理由を探っていくと、興味深い話が……。 - 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.