徳川家康が爪を噛み続けるわけ、それは……:「真田丸」を100倍楽しむ小話(1/2 ページ)
忍耐、我慢――。徳川家康といえば、多くの人がこうしたイメージを抱くでしょう。そんな家康のクセは爪を噛むことでした。
「真田丸」を100倍楽しむ小話
この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら。
小日向: ねえねえ、Fさん聞いてくださいよ。ついにコンプリートしました!
編集部F: え? どうしたのですか?
小日向: 先日、備中松山城(岡山県高梁市)に訪れまして、これで「真田丸」のオープニング映像で使われている3城すべてに行くことができたんです。
編集部F: それはおめでとうございます。ちなみに、残りの2城は?
小日向: 上田城(長野県上田市)と松代城(同県長野市)です。
編集部F: そうだったんですね。上田城だけだと思っていました。ちなみに、私もこの3城はすべて訪れたことがありますよ。備中松山城はかなり険しい山城ですよね……。
さて、先週の放送(3月27日)で、内野聖陽さん演じる徳川家康が爪を噛むシーンが何度か出てきていましたが、歴史ファンの間で話題になっているとか。
小日向: はい、今回の大河ドラマでは、北条氏政の「汁かけ飯」とともに、家康の爪を噛むクセに注目が集まっていました。
家康といえば、忍耐の人というイメージが強いと思います。家康が祀られている日光東照宮にも御遺訓として「人の一生は重荷を負うて 遠き道を行くが如し 急ぐべからず」という言葉が残っています。虎視眈眈と時が来るのを待って、最後に天下を獲った武将ですので、実際に我慢強かったわけですが、元々の性格は気が短かったようです。爪を噛むクセがあるのはそれを表す一例で、真田丸でもしばしばそのシーンが出ていますね。
短気のエピソードを1つ。家康がまだ竹千代という幼名だったころ、今川義元の下で人質同然の生活をしていました。ある日、今川家家臣が集まる宴があって、その場にいた家康に対してヒソヒソと陰口叩いたり、笑い者にしたりしていました。最初は家康も我慢していたのですが、ついに怒りを抑えきれなくなり、すくっと立ち上がると、縁側から庭に向かって放尿をしたといいます。
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