あなたの“願い”はかなう? 世界初の「人工流れ星」に驚き:水曜インタビュー劇場(流れ星公演)(4/7 ページ)
2018年、人の手で流れ星が流れるかもしれない――。こんな話を聞くと「本当に?」と思われるかもしれないが、宇宙ベンチャーの「ALE(エール)」が開発しているという。「人工流れ星」とは、一体どんなモノなのか。岡島CEOに話を聞いた。
流星源は正確に出さなければいけない
岡島: 難しいですね。放出装置はあるメーカーにお願いしていまして、その会社は鉄道のレールをチェックするときの技術を持っていらっしゃる。
列車がレールをチェックしているときに「ここに異変があるな」と感じとったら、瞬時にその箇所に印をつけるんですよね。ぴって。その技術を応用して、人工衛星から流星源を発射する装置をつくってもらいました。
土肥: 流星源を出す技術って、プッシュ式のボールペンのようなモノだと思っていました。ペン先を収納するときに横にある小さなボタンを押す……あの仕組みですね。スプリングのチカラでぽーんと戻る。小学生のころは、あの技術を使って消しゴムなどをどれだけ遠くに飛ばせるか、といった競争をしていました。
岡島: 流星源は瞬時に正確に出さなければいけないので、鉄道のレールをチェックする技術を応用することにしました。ただ、問題は発射角度だけではありません。このほかにも流星源の速度も正確でなければいけません。速度が速かったり、遅かったりすると、遠くに行ったり、近くに行ったりする。その誤差をなくすためにも、高い技術力が必要になってくるんです。
土肥: 実際に流れ星を流すことになれば、「東京の夜8時ごろに見れますよ」といった感じなのでしょうか。「東京、夜8時」という条件を逆算して、「ここで、何時に、この角度で、このスピードで、流星源を飛ばす」といった計算をされるわけですか。
岡島: 人工衛星の軌道は決まっているので、例えば「東京のどこどこで、何時に……」というリクエストに応じることはできません。「東京どこどこには、○月○日の○時、○月○日の○時……」といった感じで、いくつかのメニューがあってそこから選ぶことは可能です。
土肥: あらかじめ決められた時刻表のようなモノがあって、そこから選択するといった形ですね。
岡島: はい。
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