WOWOWの放送が終了した「UFC」は、今後どう巻き返していくのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
格闘技ファンの間に、衝撃が走った。有料放送局「WOWOW」が総合格闘技(MMA)の世界最高峰舞台と称される人気団体「UFC」の放送終了を発表したからだ。放送終了をきっかけに、UFC人気は下火になっていくのだろうか。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
格闘技ファンの間に先月末、衝撃が走った。有料放送局「WOWOW」が総合格闘技(MMA)の世界最高峰舞台と称される人気団体「UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)」の放送終了を発表したからだ。
4月6日のベストバウトSP番組の放送をもって、2002年4月から続いていた定期放送の歴史にピリオドを打つことになった。いわゆる“ナンバーシリーズ”や“FOXシリーズ”と称されるビッグマッチぞろいの両大会をメディアの中で唯一生中継するなど同局はUFCの定期放送にかなり力を入れてきた経緯があるだけに、それまで熱心に視聴していたMMAファンにとっては何ともショッキングなニュースとなってしまった。
WOWOWがUFCの定期放送を終了した理由はハッキリしていない。ネット上でもユーザーたちの間でさまざまな議論が繰り返されているが、当事者側からの言葉が出てこない以上、これらはどうしても憶測の域を出ることはないだろう。ちなみにWOWOW側はかつてUFCの運営会社「ズッファLLC(以下ズッファ)」と諸条件がまとまらずに2007年5月から翌2008年9月までUFC放送を一旦終了させていたことがあった。
もしかしたら今回も時間が経過すれば、放送再開に至る可能性もあるのではないかと楽観視する向きもあるが、これは現状を整理するとどうも難しそうだ。実際のところ「WOWOW側から、UFCのコンテンツに見切りをつけたようだ」との情報もある。
ただ、ひとつだけ明確なことがある。UFCにおいて日本人ファイターが際立った成績を残せていない点だ。これは、まず間違いなくWOWOW側にとっても今回の放送継続を判断する上でマイナス要素となっていたはずであろう。
現在、UFCと契約を結んでいる日本人ファイターは17人。ただ各階級で15位以内にランキング入りしているファイターはフライ級6位の堀口恭司を筆頭にバンタム級9位の水垣偉弥、フェザー級13位の川尻達也のわずか3人のみとなっている。そして致命的なのは各階級を通じてチャンピオンに輝いた日本人ファイターは、これまで1人もいないことだ。
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