WOWOWの放送が終了した「UFC」は、今後どう巻き返していくのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
格闘技ファンの間に、衝撃が走った。有料放送局「WOWOW」が総合格闘技(MMA)の世界最高峰舞台と称される人気団体「UFC」の放送終了を発表したからだ。放送終了をきっかけに、UFC人気は下火になっていくのだろうか。
UFC人気は下火になってしまうのか
WOWOWは日本にMMAブームが到来する以前、前田日明氏率いる総合格闘技団体「リングス」の大会中継を1991年3月の旗揚げ当時からUFCの定期放送に切り替える2002年まで継続していた。それだけMMA中継に対してどの放送局よりも深い理解があり、長い歴史とノウハウも持ち合わせている。
だが、そうは言っても、やはり日本人ファイターが活躍しなければ、コアなファンは離れないとしても一般層の視聴者がなかなか興味を示さない状況はいかんともし難い。呼び物が見込めない以上、コンテンツとしては限界が生じてくる。WOWOW側も、そのように考えて苦渋の決断に至ったのかもしれない。
それでは、このまま日本におけるUFC人気はWOWOWの放送終了と同時に下火になっていってしまうのか。そこは早合点してほしくない。この現状を打破する最有力候補として個人的にはフライ級6位の堀口に大きく期待している。通算MMA戦績16勝2敗の25歳。今年1月に山本“KID”徳郁の主催するジム「KRAZY BEE」から米国フロリダ州ココナッツ・クリークのジム「アメリカン・トップチーム」へ移籍した。生活拠点をUFC本拠地の米国に変え、多くの強豪選手が所属するMMA名門ジムのメンバーとなったことは、この上ないストロングポイントとなるはずだ。
その堀口の次戦は5月8日(日本時間同9日)のUFCファイトナイト・ロッテルダム大会。ここでマッチメイクされているニール・シーリー(アイルランド)との一戦に勝てば、フライ王座への挑戦が確実視されている。
2015年4月25日に行われたUFC186・モントリオール大会のメインイベントで同王者の“マイティマウス”ことデメトリアス・ジョンソン(米国)に初挑戦したものの、5ラウンド終了1秒前に腕ひしぎ十字固めで自身初の一本負け。そのリベンジマッチの実現が、いよいよ現実味を帯びて来ている。昨年の悔しい敗戦をバネにし、また再び着実に成長の刃を研いでいる堀口が打倒ジョンソンを果たせば、これは文句なしに快挙だ。
関連記事
- テレビは苦戦しているのに、なぜWOWOWは過去最高なのか
テレビ局の厳しい戦いが続いている。視聴率が低迷し、広告費が落ち込む……。そんな状況の中で、有料放送「WOWOW」が好調だ。加入件数は過去最高を突破し、大台の300万件も近づいてきた。その要因について、同社の担当者に聞いた。 - 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - テレビや新聞には、なぜ「文春砲」のようなスクープがないのか
年明けから「文春砲」の勢いが止まらない。ベッキーとゲス川谷氏の「不倫」報道を皮切りに、甘利明大臣の「口利き疑惑」、宮崎謙介議員の「不倫」などが続いているが、筆者の窪田氏はある弊害を懸念している。それは……。 - 賭博問題からどう這い上がるのか 地に堕ちた読売巨人軍
2015年10月に発覚した巨人所属選手による野球賭博問題。3選手が野球賭博に関与していたとしてNPBから無期失格の処分が下され、巨人からも契約を解除されていた。今回、新たにもう1人の選手が問題にかかわっていたことが明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.