WOWOWの放送が終了した「UFC」は、今後どう巻き返していくのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
格闘技ファンの間に、衝撃が走った。有料放送局「WOWOW」が総合格闘技(MMA)の世界最高峰舞台と称される人気団体「UFC」の放送終了を発表したからだ。放送終了をきっかけに、UFC人気は下火になっていくのだろうか。
日本市場で次なる一手
日本人ファイター初のUFC王座奪取で大きなムーブメントが沸き起こり、WOWOW側にも放送再開に向けた「何か」のインパクトを与えるきっかけにつながるかもしれない。日本人ファイターで世界王者に最も近い男が、日本格闘技界を襲った“WOWOWショック”を好転させるキーパーソンとなることを願いたい。
こうした展望があることからもうかがえるように、かつて「PRIDE」や「HERO'S」「DREAM」などのビッグイベントが隆盛を誇った日本は広い世界の中で見てもまだまだ魅力のあるMMAマーケットであるはず。UFCを運営する「ズッファ」もWOWOWとの放送契約が終了した今、日本市場での次なる一手を当然考えている。
ズッファ及びUFC代表のダナ・ホワイト氏は当面、WOWOWで中継を見ていた日本の視聴者がズッファ社の運営する会員制動画サイト「UFC.TV」に流れ、その中のコンテンツである月額制の映像配信サービス「UFC Fight Pass」(月額1214円)の契約者数と大会1回ごとに視聴料を支払う方式のPPV(ペイ・パー・ビュー:標準画質2431円、HD画質3038円)の購入者数が伸びると目論んで様子を見る方向性のようだ。
WOWOWの加入件数は同社発表によると、2016年2月時点で280万6539世帯。非常に多くの加入件数を誇っているとはいえ、当たり前だがUFC側にはその1世帯から入る月額視聴料2300円(税抜き)が丸々入ってくるわけではない。だからそれらのほんの一部がWOWOWから放映契約料という形で入る収入よりも、1人最低で2431円の料金が大会1回ごとに直接UFCの懐に入るPPVの購入者数がグンと伸びてくれるほうがいいに決まっている。
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