銀座のホステスは「売上アップ」のために何をしているのか:銀座で学んだこと(1/4 ページ)
4月、新入社員として働き始めた人もいらっしゃるでしょう。夜の銀座もこの時期は新入社員がたくさんいます。銀座で働くホステスは「営業職」。今回は、営業職の人に向けたお話をさせていただきます。
4月に入り、新入社員として働き始めた人もいらっしゃるでしょう。夜の銀座でも、この時期は新入社員がたくさんいます。銀座で働くホステスは、大まかなくくりでいうと“営業職”になります。お客さまと直に接して気に入ってもらい、またお店に来てもらう。コツコツ続けて積み重ねることで売り上げを伸ばす、重要な仕事です。
今回は、私の経験談も含め、営業職の人に向けたお話をさせていただきます。
お客さまは神様ではなく“王様”
最初に紹介するのは、まだ私が経営の初心者だったころのエピソード。雇われママから独立してオーナーになったばかりで、多難続きでへこたれていた私に、とある有名企業のK社長はこう話してくれました。
「僕も20代前半に独立して大変なことばかりだったから、その気持ちはよく分かる。同業からは生意気といじめられ、お客さまからはできていないと叱られてばかり。でも、人間は神様ほどできた存在じゃない。お客さまは“王様”だと思って接しなさい」
商売の世界では「お客さまは神様」とよく言われますが、K社長の言う「お客さまは王様」とはどういう意味なのか、少し考えてみましょう。
「神様のようにできた人間はいない」というと少し語弊があるかもしれませんが、どんな人間でも必ず感情の起伏があります。例えば、散髪に行って希望の髪形にしてもらえなければ「気に入らない」「なんだよ、コレ」と、あまりいい気分にはなりません。どれだけ立派な立場の人でも不機嫌になることはあります。中には、虫の居所が悪くて周りにあたる人もいるでしょう。
ところが、王様であれば何か気に入らないことがあっても周りの人がどうにかしてくれるので、ほとんどのわがままが通ります。このように「王様=気分屋」という分かりやすい例えで、K社長は私に教えてくださったのだと思います。それ以来、お店の女の子や黒服には「お客さまは王様」と、日ごろから伝えています。
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