銀座のホステスは「売上アップ」のために何をしているのか:銀座で学んだこと(3/4 ページ)
4月、新入社員として働き始めた人もいらっしゃるでしょう。夜の銀座もこの時期は新入社員がたくさんいます。銀座で働くホステスは「営業職」。今回は、営業職の人に向けたお話をさせていただきます。
揺れ木術
次にご紹介するのは「揺れ木術」。これは、営業をしていく上で心が折れないためのメソッドです。
先にも述べた通り、お客さまは王様です。王様のご機嫌次第では「なんて理不尽な!」と叫びたくなる状況もあるでしょう。例えば、あなた宛ての荷物が指定の時間を過ぎても届かなかったとします。ドライバーの連絡先が分からないので、あなたは会社のカスタマーセンターに電話をして、きっとこう言うはずです。
「ずっと待っているのに、時間指定の荷物が届かないんですけど……」
その日の気分にもよりますが、待たされたこともあり、あなたは少々イライラしていることでしょう。この電話を取った人は本来怒りの矛先の対象ではありませんが、こちらは不満をぶつける先がないため、たまたまこの電話に出た人に思いの丈を伝える――。電話を取った人も、「タイミングが悪いなあ。ツイてない」と思うことでしょう。
しかし、電話対応をされている人はカスタマーセンターのプロです。こちらが何と言おうと、「誠に申し訳ございません。すぐにドライバーに確認を取ります」とお客さまの気持ちが収まるよう、丁寧に対応してくれます。これは、カスタマーセンターなどのクレーム対応が多い職場でよく使われている手法で、風に吹かれた木が左右に揺れるのと同じように、自身が受けるストレスを回避するようコントロールしているのです。
お客さまと直に接する営業職ならなおのこと、ストレスは日常的に発生します。しかし、風に吹かれた木の枝のように受けて流せば、過剰なストレスを感じて心が折れることもありません。
多少のストレスを感じつつも「円滑に商談・取引を成立させる」ことを第一に考えられるようになれば、1人前の営業として自然と数字は伸びていくことでしょう。
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