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鴻海からの“心遣い”を、シャープはどう受けとめたのか:水と油は交わるか(3/6 ページ)
台湾の鴻海によるシャープ買収決定後に開かれた共同会見において、鴻海・郭会長兼CEOはシャープのイノベーターとしての歴史をべた褒め。ところが、両社の経営に対する基本姿勢はまるで異なるものなのである。
これからの100年もイノベーション続ける
早川氏に対して敬意を抱く声は、会見に同席した鴻海の戴正呉副総裁からも聞かれた。
「ニトリホールディングスに売却が決定している大阪・阿倍野区のシャープ本社ビルは、シャープの歴史にとって重要な場所である。できれば買い戻したい。それが無理ならば、隣にある1800平方メートルの面積の場所に新たな本社を建て、この建物に最上階に、創業者の早川氏の博物館を必ず作る」と、戴副総裁は意気込んだ。
実はこの日、買収に関する正式調印とともに、早川氏ゆかりの地に、高齢化社会に貢献する実験的なスマートハウスとして「早川徳次記念館」を建設することに対して、鴻海が資金面で支援することを約束する覚え書きの調印も行なっている。買収に関する調印は戴副総裁が行い、郭会長兼CEOが調印したのは、早川徳次記念館に関する覚え書きの方だった。
郭会長兼CEOは、「私はシャープが、今後100年間もイノベーションを進め、世界中で、成功を積み重ねることができるようにフルサポートすることを約束する。そして、私たちは、さらなる高見を目指すことに、恐れずに挑んでいきたい」と力を込めた。
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