2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

重くなったのに、なぜ軽く感じるのか 売り子が背負うビールサーバー水曜インタビュー劇場(軽く感じる公演)(2/6 ページ)

野球場などでキャストと呼ばれている“売り子”が生ビールを販売している。彼女たちが背負っているサーバーは重いので、アサヒビールとデサントは共同で新しいモノを開発。さざかし「軽く」なったんだろうと思っていたら、実は「重く」なっていた。えっ、どうして……?

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

3代目のサーバーは2代目よりも重い


新しいサーバー(左)は従来のモノ(右)よりも大きくて重い

土肥: 阪神タイガースが大好きのワタクシは、球場に足を運んだとき、必ずビールを飲みながら観戦するんですよね。でも、ひとつ気になることが。キャストと呼ばれている売り子……女性が多いと思うのですが、彼女たちが背負っているビールサーバーを見ていると、「重そうだなあ」「大変そうだなあ」と感じてしまう。

 実際、キャストの仕事をしていて体調を崩す女性も多いそうですね。そうした課題を解決するために、アサヒビールとデサントはタッグを組んで、新型の生サーバーを開発されたそうで。従来のモノとどのような違いがあるのでしょうか?

アサヒ: 1989年に、キャストが背負うタイプのビールサーバーを開発しました。当時のモノは、樹脂でできていてとにかく重かったんですよ。宇宙飛行士が背中に担いでいるタンクのような形をしていました。

 たくさんの人から「重い」という声をいただいたので、2005年に2代目を開発することに。とにかく軽くすることにチカラを入れました。

土肥: どのくらい軽くしたのですか?

アサヒ: 7〜8キロは軽くしましたので、2代目は「軽量化」に成功しました。ただ「軽くなった」とはいえ、重さは20キロほど。女性が20キロのモノを背負って、球場の階段を上ったり下ったりしなければいけません。軽量化に成功したといっても、カラダの負担は軽減されていませんでした。

土肥: でも、ビールは軽くできませんよね。

アサヒ: サーバーをさらに軽量化することも考えたのですが、やはり限界があります。それでも「彼女たちの負荷を軽減することはできないかな」と考え、スポーツメーカーのデサントさんにお願いして、共同で開発することにしました。

土肥: で、どうなったのですか?

デサント: 結論から言いますと、3代目のサーバーは2代目よりも「重い」んですよ。

土肥: ん? どういうことでしょうか? 「サーバーは重いからなんとかしよう」というところからスタートしているはずなのに、なぜ3代目は重くなったのでしょうか?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る