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オムロンヘルスケアが力を注ぐ「連続血圧測定」とは何か?:医療は変わるか?(2/5 ページ)
医療用健康機器メーカーのオムロンヘルスケアが、脳・心血管疾患の発症をゼロにする取り組みを本格化。その第一歩として、連続血圧測定技術を世界で初めて開発し、2017年を目途に製品化するという。
オムロンヘルスケアが、イベントゼロに向けて提案するのが、連続血圧測定である。
心臓は1日に約10万回程度拍動し、1拍ごとに血圧は変動する。だが、現在、家庭用血圧計で主流となっているオシロメトリック法による血圧測定方式は、カフ(腕帯)で上腕や手首の血管全体を圧迫し、血流を一時的に止める必要があり、負荷を与えずに、連続して血圧を測ることは不可能だ。そのため、血圧の測定は、日間変動にとどまっていた。
だが、日間変動測定でも、医療は大きく進歩してきた。
元々、オムロンヘルスケアが、家庭用血圧計を発売した1970年代は、血圧は病院で測るものであり、高血圧の診断は、一時点の血圧の平均値を基に行っていた。つまり、日中の血圧変化を知ることができず、経年変動や季節変動を確認するにとどまっていたのだ。
だが、家庭用血圧計の普及により、一日に何度も血圧を測ることができるようになり、夜間や早朝の高血圧や、急激な血圧変動が、脳・心血管疾患の発症リスクを高めることが、医学的に解明されてきた。加えて、病院を訪れると血圧が上がってしまう「白衣高血圧」、逆に病院での測定では血圧が低くなる「仮面高血圧」といった人が、合せて全体の3分の1以上いることも分かった。
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