なぜJALの飛行機は“遅れにくい”のか 定時到着率1位の裏側:水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(3/6 ページ)
「飛行機=遅れる」といったイメージをもっている人も多いのでは。しかし、米国の企業が発表した「定時到着率ランキング」をみると、JALがトップ。JALは“遅れない”ためにどのようなことをしているのか。話を聞いたところ……。
搭乗口を変更
矢嵜: なにが原因でこんなに遅れるのかなあと思って、朝イチに出社して、お客さまの流れを分析することにしました。先ほど申し上げたとおり、6時ごろにお客さまは空港に来られて、まずチェックインカウンターに向かう。そして、保安検査場、搭乗口といった流れなのですが、多くのお客さまは“慌てて”来られてるんですよね。
朝が早いので「空港で朝ごはんを食べよう」という人が多いんですよ。保安検査場を通過して、搭乗口に向かう途中に売店があるので、そこで朝ごはんを購入される。901便の搭乗口は8番ゲート。出発検査場の近くにあるBから入っていただくと、8番ゲートまではそれほど遠くありません。ただ、8番ゲートのちょっと奥に売店があるんですよね。ということは、お客さまは朝ごはんを購入するために、8番ゲートを通り過ぎなければいけません。
土肥: それだと、人の流れが悪いですねえ。ツナマヨのおにぎりを買うために、無駄な動きが発生する。
矢嵜: はい。人の流れが悪いので、スタッフがお声掛けをさせていただきました。でも、人の流れはなかなかよくなりませんでした。そこで、どうしたか。よーく見ていると、保安検査場Cから来られているお客さまもいたんですよね。そこで、検査場BとCの間にある10番ゲートに着目しました。そこの近くに売店があるので、昨年の12月から901番の搭乗口は10番ゲートに変更しました。
土肥: 結果、どうなったのでしょうか。
矢嵜: 人の流れがものすごくよくなりました。変更前は、定時に出発できたのは月に3%ほどしかなかったのですが、いまでは30%ほどになりました。
土肥: おお! それはスゴい。
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